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「看護教育をめぐる基本的な考え方と要求」を発表
 日本医労連は、7月20日、以下の文書を発表しました。
詳細資料版(PDF)はこちらをご利用ください看護教育をめぐる基本的な考え方と要求

看護教育をめぐる基本的な考え方と要求



2006年7月20日
日本医療労働組合連合会


はじめに

 平均在院日数の短縮や患者の重症化、医療・看護内容の高度化などによって、看護現場はかつてなく過酷な労働実態となっています。人を育てる余裕もない中で、新人看護職員の9.3%が入職後1年以内に離職するなど、離職の増加と看護職員不足がますます深刻化しています。医療事故が後を絶たず、安全でゆきとどいた看護の実現が、患者・国民と看護職員に共通する切実な願いとなっています。
 こうした下で、厚生労働省も「看護基礎教育の充実に関する検討会」をスタートさせるとともに、今秋には卒後研修制度の具体化に向けた新たな検討の場を設置する予定です。
 安全でゆきとどいた看護の実現が切実に求められており、看護のレベルアップと、そのための看護教育の向上、養成力の拡充が必要です。看護の現場で働く者の立場から、看護教育をめぐる基本的な考え方と要求を再整理し、その実現を求めていくものです。なお、厚生労働省の検討会での論議状況を見ながら、さらに具体的な意見等を出していく予定です。

1、看護現場と看護教育をめぐる現状

(1) 看護現場のかつてないほど過酷な状況と深刻化する看護職員不足
 看護職員の労働実態はかつてないほど過酷なものになっています。医療・看護内容もますます高度化しており、医療事故防止・医療安全の課題とも相まって、看護職員に求められるものが質量ともに増大しています。
 日本医労連が昨秋実施した「看護職員の労働実態調査」の結果では、「最近、看護業務量が増えた」という回答が62.7%に達し、時間外労働の増大や年次有給休暇の取得日数の減少など、労働条件の悪化が顕著に示されました。「十分な看護が提供できている」という回答は8.1%に止まり、「この3年間にミスやニアミスを起こしたことがある」という回答が86.1%に達するなど、超過密労働の下で、患者のいのちと安全も脅かされています。そして、「仕事をやめたいと思う」という回答が73.1%にも達しています。その理由(複数回答)は「仕事が忙しすぎるから」37.0%、「仕事の達成感がないから」22.0%、「本来の看護ができないから」17.4%などとなっています。仕事に追い回され疲れはて、ゆきとどいた看護もできないジレンマの中で、燃え尽き(バーンアウト)が進行しています。
 看護職員の離職が問題となっており、看護職員不足が再び社会問題化しています。へき地や中小病院だけでなく大学病院などでも、4月から欠員でスタートという深刻な事態が各地で起きています。特に、夜勤・交替制勤務に従事する看護職員は枯渇している状況です。さらに、2006年度診療報酬改定における7対1入院基本料の新設で、看護基準引き上げの動きが急速にひろがっています。四病協(四病院団体協議会)の調査によると、2割の病院が看護基準を引き上げて4月の届け出をおこなっています。従来の2.5対1の病院の動きが最も急で、2対1(10対1入院基本料)への引き上げは3割にも達しています。

(2) 深刻な新入看護職員の早期離職問題
 日本看護協会の「2005年病院看護職員需給状況調査(速報)」によると、新人看護職員の離職率は9.3%に達しています。夢をいだいて入職した新人看護職員の10人に1人、養成所約100校分にも相当する新人が、就職後1年以内に職場を去っている深刻な状況です。
 その要因としてはまず、現場で求められる看護のレベルが年々高まる中で、精神的にも肉体的にも新人看護職員に大きな負担がかかっていることが指摘されます。基礎教育の不十分さから、新人看護職員は十分な臨床実践能力を身につけることができないまま、高速回転・超過密労働の現場に送り出されています。医療事故の不安も相まって、多くの新人看護職員が大きな不安を抱えながら、看護の第一線に立たされています。「看護職員の労働実態調査」の結果によると、24歳以下の若い層では、「十分な看護が提供できている」は5.1%(全体8.1%)、「この3年間にミスやニアミスを起こしたことがある」は92.6%(全体86.1%)となっており、60.1%(複数回答、全体38.4%)が医療事故の原因として「看護の知識や技術の未熟さ」を指摘しています。日本看護協会の「2004年新卒看護職員の早期離職等実態調査」では、「新卒看護職員の職場定着を困難にしている要因」(複数回答)について、病院の76.2%、学校の80.3%が「基礎教育終了時点の能力と看護現場で求める能力とのギャップ」をあげています。
 ふたつ目には、新人看護職員に対する入職後の研修・教育が不十分なことが指摘されます。厚生労働省の「看護職員就労状況実態調査」によると、新人対象の院内研修の実施は79.6%に止まっています。また、少ない人員と超過密労働の下で、新人教育の時間が保障されておらず、プリセプターなどによる指導の多くも勤務時間外になっています。「看護職員の労働実態調査」でも、新人教育で最も問題だと思うことで、「通常業務に精一杯で、教育の時間が保障されていない」が38.1%でトップになっています。東京医療関連協の「新人さんが働き続けられるために、必要なこと教えてアンケート」によると、「入職後の教育・指導が十分だった」という新人看護職員は45.3%に止まり、さらに新人教育を担当した看護職員では「十分な指導ができなかったと思う」という回答が77.3%にも達しています。できなかった理由(複数回答)は、「自分も業務をしながらなので指導どころではなかった」57.7%、「忙しくて振り返りの時間が持てなかった」47.4%などとなっています。
 新人だけでなく、再就業者の離職も深刻な実態です。厚生労働省作成の資料(日本看護協会の調査結果等から)によると、新規採用者存続率(当該年度の新規採用者が年度末まで残っていた率)は、1999年の87.1%から2002年には84.1%に下がっており、6人に1人が入職した当該年度内に退職している状況です。再就業者にとっては、職場を離れていたブランクに加え、看護内容の高度化や過密労働の進行が大きな壁となっています。また、年度途中の採用などの場合には、新人以上に研修制度も不十分で、一方ではより即戦力としての働きを求められる中で、いっそう矛盾が大きくなっています。

(3) 臨地実習の不足など、看護基礎教育の問題点
 現場が求める実践能力のレベルが上がっている一方で、看護基礎教育の教育時間数が過去に比べ減少していることが大きな問題と指摘されています。看護師3年課程の教育時間は、1989年改正でそれまでの3,375時間から3,000時間に減り、さらに1996年改正で2,895時間(計14.2%減)となりました。特に臨地実習は1989年改正で、それまでの1,770時間から1,035時間(41.5%減)へと4割も減った上に、1996年改正で7領域に増えるなど、学ぶ内容は逆に拡大しています。そうした下で、看護学生が必要な看護実践能力を十分に身につけることができないまま、看護の現場に送り出されているのです。「看護基礎教育の改善に関する研究」(厚生労働科学特別研究事業。主任研究員・小山眞理子神奈川県立保健福祉大学教授)でも、専門科目の時間数の不足や実習場所の確保の困難さ、教員・実習指導者の不足が示されています。
 臨地実習など基礎教育の内容自体にも、いろんな声が出されています。一部には理論偏重の傾向もみられますが、臨地実習の場での基本的な看護実践能力の習得が十分になされていない状況も生まれています。また、看護現場が超過密労働となっているため、看護学生への指導に必要な体制と時間を割くことがいっそう難しくなっています。医療安全や患者の権利尊重の必要性から、患者への侵襲制の高い技術の実習が、免許取得前の看護学生にはいっそう制限されるようになっているという側面もあります。さらに、大学化の進行によって臨床経験の少ない教員が増えていることも問題です。
 4年制看護大学においても、その多くが統合カリキュラムによる保健師・助産師免許との同時取得のためのカリキュラムとなっているため、臨地実習時間など看護師3年課程に対応する教育時間が拡充されているわけではありません。看護師課程との掛け持ちとなるため、保健師・助産師単独の養成所と比べて、保健師・助産師課程の教育時間数は少なくなっています。
 准看護師養成所にいたっては、教育時間は1,890時間、臨地実習は735時間に過ぎず、全く不十分な状況です。

(4) 頭打ちとなっている看護職員の養成数
 看護職員の養成に関しては、看護大学の大幅な増加の一方で、准看護師養成は1学年定員が1万4千人を割って、最大期からすると3分の1近くまで縮小し、入学者数が2年課程を下回るなど、大きく変化しています。看護大学の増加と統合カリキュラムによって、保健師資格の取得者(看護師資格との同時取得)が大幅に増え、8千人を超えるまでになってもいます。
 養成数については、長く増加が続いてきましたが、准看護師養成の縮小とも相まって、90代末から若干減少しました。看護師養成については現在、入学時の学生数が1学年5万人程度、看護師としての新規就業者数は年4万人程度という状況です。
 一方で、就業看護職員数は90年代初頭の80万人強から、現在は130万人強(6割増)に増え、年間の退職者数が11万人程度、再就業者数が8万人程度と、大幅に増加しています。そうした下でも、就業看護職員数が年間平均3万人程度増え続けているのは、過去の養成数が少なく定年等による退職がまだ少ないためであり、今後も現状の養成数が続けば、就業者数の増加は早晩ストップすることになります。
 こうした状況を総合すると、離職防止・再就業対策を抜本的に拡充するとともに、一定の養成数の増がなければ、必要な看護職員の増員に対応できないと言うことができます。
 厚生労働省は、少子化の進行を理由に、養成数の拡充には消極的で、「看護職員の総数は足りている。潜在看護職員55万人の活用が大切」と言うに止まっています。再就業対策の充実をはかることはもちろん重要ですが、厚生労働省が「潜在」という55万人の根拠は脆弱であり、燃え尽きて辞めていったとか、育児や家庭環境から看護を離れたなど、その多くが夜勤やフルタイムでの復帰がのぞめない人たちであることも現実です。また、看護師3年課程の入試倍率は若干下がりましたが、依然として4倍を超えており、養成数の拡大は十分可能です。
 看護職員の労働条件改善などによって離職防止と再就業対策を抜本的に強化するとともに、看護の魅力を高めていき、必要な養成数の拡充をはかることも合わせえて実施しなければ、必要な就業者数の確保は今後、困難になると言わざるを得ません。
 さらに、看護大学の新設や学校法人での新たな開設の一方で、従来の養成所の閉鎖が起きており、地域によっては養成施設がなくなるなどの問題も起きており、地域ごとの対策も重要になっています。

2、私たちの基本的な視点

(1)安全でゆきとどいた看護を実現するために教育・研修全体の向上をはかる
 何より、患者・国民のいのちを最優先に、安全でゆきとどいた医療・看護を実現していくために、看護のレベルアップと看護教育の全体的な充実をはかることが大切です。
 厚生労働省は2つの検討会をつくり、基礎教育の充実と卒後研修制度の具体化にしぼって検討をすすめようとしていますが、求められている看護教育のレベルアップに応えていくためには、それに止まらず、生涯教育制度など現任教育も含めた、看護教育全体の向上が不可欠の課題です。そのためにも、先送りされている准看護師養成の停止・看護制度一本化の課題に早期に決着をつけることが必要不可欠の前提条件です。
 基礎教育の充実と卒後研修制度の具体化に関しては、相互に関連する課題であり、2つの役割分担を明確化し、現場実態に則して具体化をすすめることが重要です。臨地実習時間の増加をはじめとして基礎教育の充実をはかるとともに、卒後研修の制度化をすすめていくことが必要です。

(2) 養成数を増やし、必要な人員体制の拡充を保障する
 看護職員の不足はいっそう深刻化しており、特に夜勤・交替制に従事する看護職員の確保は困難になっています。超過密労働の下で、離職が後を絶たない悪循環が続いています。
 看護現場の必要な増員を保障し、安全でゆきとどいた看護を実現するために、配置基準の改善、離職防止・再就業対策の充実と合わせて、養成数自体を拡大し、必要な看護職員の確保をはかっていくことが必要です。新人教育や継続教育を保障する人員体制の充実も求められています。
 7対1入院基本料の新設などによって、看護職員不足はいっそう深刻化しており、すでに昨年末に策定された「第六次看護職員需給見通しは崩壊した」という声があがっています。看護職員確保法・基本指針を見直し、月8日以内夜勤の法規制など、労働条件を改善し離職を防止するとともに、需給見通しを早期に見直し、養成数の拡大も含めた確保対策の抜本拡充をはかることが必要です。

3、看護教育改善の私たちの基本的な要求

(1)看護基礎教育の充実に関して
@ 看護職員の基礎教育はすべて、学校教育法第1条に基づく高校卒業後3年以上にあらため、看護基礎教育の充実、レベルアップをはかること
 看護基礎教育の充実のためには、一定の経過措置を設けて養成所制度に終止符を打ち、学校教育法に基づく教育制度として、その抜本的な充実をめざすべきです 
A 臨地実習の時間(単位)数を増やすことをはじめ、看護基礎教育の内容を改善・充実し、最低限必要な基礎的臨床実践能力の習得をはかれる内容にすること
 臨地実習時間の増が必要です。同時に、看護基礎教育が現場で働く看護職員養成、臨床実践能力の習得が第一義的課題であることを明確化し、教育内容の改善をはかることも必要です。その際、いたずらに高い到達目標とならないよう、卒後研修制度との役割分担も明確化して、看護職員として最低限必要な基本的な知識、看護技術の習得をめざすものとすべきです。 
B 基礎教育の時間(単位)数の増加については、基礎教育の内容の全体的見直しと合わせて、必要最小限に止めること
 一定の教育時間の延長が必要ですが、単純に臨地実習の時間数などを増やすだけでは不十分です。現場で働く看護職員の養成という観点から、看護現場・スタッフの要望を十分に反映させて、教育内容の全体的見直し・改善をおこなうとともに、卒後研修制度の具体化と合わせて、教育時間数については必要最小限の増加とすべきです。 
C 実習病院の確保や実習病院への専任指導者の配置の保障など、国が責任を持って臨地実習の拡充をはかること
 現状でも実習病院の確保は困難であり、実習先の病院・医療機関では超過密労働の下で、学生指導に時間や人手を割くのがむずかしくなっています。臨地実習時間の拡大・内容の充実のためには、国が財政的に責任を持って、教員や専任の実習指導者を増やすことを含め、実習に必要な体制を確保・保障していくことが必要です。 
D 看護教員については、大学も含めて臨床経験年数を再度明確化するとともに、必要な看護実践の習得・研修の体制を整備すること
 看護教員についても、看護学生への臨床能力の教授に必要な実践能力の習得と向上を図れるように、教員資格取得の要件を再度明確化するとともに、看護教員に対する研修体制を強化していくことが必要です。 
E 大学における看護師教育と保健師・助産師教育の統合カリキュラムに関しては、全体的な教育時間数の見直しとあわせて、必要な検討をおこなうこと
 統合カリキュラムに関しては、看護師教育との両立を保障するとともに、保健師・助産師教育の時間が確保されるよう、今回の看護師基礎教育の充実見直しに対応して、見直しをおこなうべきです。 
F 看護教育改善の大前提として、准看護師養成を早急に停止し、准看護師から看護師への抜本的な移行措置を具体化するとともに、看護制度一本化を実現すること
 看護教育の改善が課題となっている下で、准看護師養成がいまだに続いていることは不合理としか言いようがありません。准看護師養成を一刻も早く停止することが、看護教育改善の前提条件です。 

(2)新人看護職員の卒後研修制度に関して
@ 新人看護職員の卒後研修制度を制度化し、新人看護職員が必要な看護実践能力を身につけ、スムーズに現場になじみ、看護職員として長く働き続けられる基礎をつくれる内容とすること
 基礎教育の充実とあわせて、新人看護職員の卒後研修の充実が求められており、その制度化が必要です。卒後研修制度の内容は、基礎教育との整合性をはかり具体化することが大切です。必要な看護実践能力を身につけることができる内容とするとともに、現場になじみ看護職員として長く働き続けられる基礎をつくるという性格を持たせることが必要です。
 新人の夜勤入りについては、一定の研修終了後とするとか、十分なダブリ勤務期間を置くなどの体制の整備も必要です。
 
A 新人看護職員が卒後研修に専念できるよう、国が責任を持って、賃金(経済)保障などの具体化をはかること
 卒後研修制度を成功させるには、国が責任を持って財政保障などの具体化をはかることが不可欠です。新人看護職員がお金の心配なく研修に専念できるよう、賃金保障を実現するとともに、各医療機関に対しても、研修指導者の専任配置などの財政保障が必要です。 
B 卒後研修制度の実施が看護職員不足に拍車をかける事態を起こさないために、一定の養成数の増や職場の配置人員の改善などとあわせて具体化をすすめること
 卒後研修が具体化された際には、研修期間中の新人看護職員と指導にあたる看護職員の数の分だけ、現場の人員が減ることになります。卒後研修制度によって看護職員の不足に拍車がかかることがないよう、確保対策と養成数の見直し・拡充が必要です。 

(3)生涯教育制度の確立に向けて
@ すべての看護職員を対象とした生涯教育制度を段階的に整備していくこと
 現在はモデル事業的に現任教育事業が実施されていますが、これを全面的に改め、国の責任において、すべての就労看護職員を対象にして一定期間ごとに現任教育を実施するよう、看護職員の生涯教育制度を段階的に整備していくことが必要です。 
A 看護職員の免許については、免許更新制を導入しないこと
 一部に免許更新制の導入を求める声がありますが、資格試験に合格した国家資格であり、医師など他の医療資格においても実施されていない免許更新制を導入することは必要ありません。国の責任において、一定期間ごとに財政保障もおこない、追加教育をおこなうという形式で具体化をすすめるべきです。 
B 一定期間現場を離れていた再就業希望者全員を対象として、国の責任で再教育を実施すること
 再就業者の離職率の高さは深刻であり、再就業を促進するためにも、一定期間現場を離れていた再就業希望者に対する再教育制度を制度化すべきです。 
C 院内研修の充実、看護の向上を実現するため、院内研修への財政保障や教育担当者の専任配置などを保障すること
 各医療機関における院内研修などの充実も必要です。診療報酬においても、病棟外での研修や会議の時間は人員計算から除外されていますが、院内研修等の推進のためには、その財政的な保障が不可欠の課題です。 

(4) 必要な養成数の拡充について
@ 看護現場の深刻な実態を改善し、安全でゆきとどいた看護を実現するために、必要な養成数の拡充をはかること
 再就業対策の充実だけでは、今日の深刻な看護職員不足を解決することはできません。配置人員を増やし労働実態を改善するためにも、看護職員確保対策の抜本的な強化が必要です。そのためには、離職防止・働き続けられる職場づくりとセットで、養成数自体も増やすことが不可欠の課題です。 
A 国と都道府県の責任において、看護学校・養成所がなくなった地域をはじめとして看護学校の設置をすすめるなど、地域ごとに必要な看護職員を確保できるよう、看護師養成対策を強化すること
 地域によっては、看護学校がなくなるとか、卒業生が県外に大量に流出していることなどが大きな問題になっています。国と都道府県が協力し、地域医療を確保するため、看護学校を再整備することが必要です。 

以   上

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