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各分野・課題別の取り組み-医療・社会保障を守る課題
第164通常国会医療制度改悪反対共同ニュース2006年5月24日 bP6/発行・中央社会保障推進協議会
参議院厚生労働委員会での審議始まる 民主党・社民党欠席の中、与党のみで質疑 共産党は不正常な状態での開会に抗議し出席

 参議院段階での審議をめぐっては、22日の理事懇談会で、委員長が職権で23日に趣旨説明・質疑を行うための委員会開催を宣言した。昨日朝から開かれた理事会では与党が委員長職権で設定して質疑確認を行うことを譲らず、民主党・社民党が退席。その後委員会を開催し、趣旨説明を行った後、民主党・社民党に出席を呼びかけたものの、出席に至らず、与党の質疑を強行した。共産党は民主党・社民党の出席のない不正常な状態で委員会を開催したことに強く抗議し、委員会には出席した。


次回委員会開催については未定
 厚生労働委員会の混乱だけでなく、共謀罪等の審議日程(採決)等も絡みながら、今後の日程が非常に流動的となってきています。次回定例日は25日(木)ですが、開催するかどうか未定です。開催されれば傍聴行動を実施しますが、仮に開催されることになっても審議日程との関係からも集合時間等の変更もあり得ます。追って、共同ニュース等でお知らせしますのでご注意ください。

5月23日(火)厚生労働委員会 趣旨説明と質疑(与党のみ)三時間
(趣旨説明)川崎大臣
 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案及び良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 我が国は、国民皆保険のもと、だれもが安心して医療を受けることができる医療制度を実現し、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきました。しかしながら、急速な高齢化など大きな環境変化に直面している中、国民皆保険を堅持し、医療制度を将来にわたり持続可能なものとしていくためには、その構造改革が必要であります。このため、医療費適正化の総合的な推進、新たな高齢者医療制度の創設、都道府県単位を軸とした保険者の再編統合等の措置を講ずることとしております。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、予防を重視しつつ、生活習慣病対策の充実や平均在院日数の短縮といった中長期的な医療費適正化対策を計画的に進めるとともに、現役世代並みの所得のある高齢者の患者負担の引き上げや療養病床に入院する高齢者の食費、居住費の負担の見直しなど短期的な対策を講ずることにより、医療費適正化を総合的に推進することとしております。
 第二に、七十五歳以上の後期高齢者を対象とする新たな医療制度を創設することとしております。この制度においては、七十五歳以上の高齢者の心身の特性等を踏まえ、それにふさわしい医療サービスを提供するとともに、保険料、現役世代からの支援及び公費を財源とし、都道府県単位ですべての市町村が加入する広域連合が運営することとしております。また、六十五歳から七十四歳までの高齢者の医療費について、国民健康保険及び被用者保険の加入者数に応じて負担する財政調整制度を創設し、超高齢化時代に備えた安定的な高齢者医療制度を創設することとしております。
 第三に、都道府県単位を軸とした保険者の再編統合を進めていくこととしております。このため、国民健康保険においては、都道府県内の市町村国保間の保険料の平準化を図るための共同事業の拡充を行うこととしております。また、政府管掌健康保険を公法人化し、都道府県ごとの医療費を反映した保険料率を設定することとしております。
 以上のほか、中央社会保険医療協議会について委員構成の見直しや団体推薦規定の廃止等を行うとともに、介護保険法における介護療養型医療施設の廃止等の所要の改正を行うこととしております。
 最後に、この法律の施行期日は、現役世代並みの所得のある高齢者の患者負担の引き上げなどについては平成十八年十月に、医療費適正化計画の策定や新たな高齢者医療制度の創設などについては平成二十年四月にするなど、改正事項ごとに所要の施行期日を定めることとしております。
 次に、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 我が国の医療提供体制については、国民の健康を確保し、国民が安心して生活を送れるための重要な基盤となっております。一方で、高齢化の進行や医療技術の進歩、国民の意識の変化など、医療を取り巻く環境が大きく変わる中、だれもが安心して医療を受けることができる環境を整備するための改革が不可欠となっております。このような観点から、国民の医療に対する安心、信頼を確保し、質の高い医療サービスが適切に提供される医療提供体制を確立するため、患者の視点に立った制度全般にわたる改革を行うこととし、本法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、患者、国民による医療に関する適切な選択を支援するため、都道府県を通じた医療機関に関する情報の公表制度の創設や広告規制の大幅な緩和など、医療に関する情報提供を推進することとしております。
 第二に、医療計画制度を見直し、医療機能の分化、連携を推進することを通じて、地域において切れ目のない医療の提供を実現し、質の高い医療を安心して受けられる体制を構築することとしております。
 第三に、僻地や、小児科、産科などの特定の診療科における医師の偏在問題に対応し、地域における医師確保の推進を図ることとしております。
 第四に、地域における医療の重要な担い手である医療法人について、非営利性の強化などの規律の見直しを行うとともに、救急医療、小児医療など地域で必要な医療の提供を担う医療法人を新たな社会医療法人として位置づけることとしております。
 第五に、医療従事者の資質を向上し、国民の医療に対する安心を確保するため、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療従事者について、行政処分を受けた者に対する再教育制度の創設など行政処分のあり方を見直すこととしております。
 以上のほか、医療安全支援センターの制度化など医療安全の確保の推進、在宅医療の推進のための規定の整備等を行うとともに、外国人臨床修練制度の対象として新たに看護師等に相当する海外の資格を追加するなどの改正を行うこととしております。
 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き、平成十九年四月一日としております。
 以上が、健康保険法等の一部を改正する法律案及び良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

※ 趣旨説明後、20分ほど中断して委員会は民主党・社民党への審議出席要請を行っ たがいずれも出席を拒否。与党のみ(公明党は行わず自民党のみ)の質疑となった。

自民党/西島英利議員
 医療費の将来推計について質問。「色んな数字が使われており、整理が必要、医療給付費ではなく国民医療費として出した方がいいのではないか」と厚労省をただし、また、数字の根拠を聞いた。厚労省側は医療給付費とともに国民医療費の伸びの予想値も示し、計算方法として、今年度の医療費から出発して、95年から99年にかけての高齢者の医療費の伸び率を鑑みて計算したと答弁。西島氏は、「制度改正の影響を計算に入れてないのはおかしい」「決算がまだ出ていないうちは、国民は信用できない」「直近の推計値を出すべきだ」と追及。それに対し厚労省側は現在の推計方法の妥当性を主張した。

厚労省の医療費将来推計(2025年度の予想値)
 1994年の際の推計   141兆円
 1997年の際の推計   104兆円
 2000年の際の推計    81兆円
 2005年の際の推計    65兆円
※ 推計するたびに2025年の予想値はどんどん下がっている。

厚労省の医療費と医療給付費の将来推計
       (「改革」実施前)       (「改革」実施後)
      2015年  2025年   2015年  2025年
国民医療費  47兆円   65兆円    44兆円   56兆円
医療給付費  40兆円   56兆円    37兆円   48兆円
※ 「改革」をすれば2025年の医療費が9兆円抑制できる計算。

 療養型病床削減の問題について。西島議員は「突然出てきた。『医療制度改革大綱』にも載ってない。」とこの施策の異常さを指摘。中医協の議論がゆがめられて療養病床を削減する案が急に出てきていることを明らかにしつつ、懸念を示した。また、老健施設などの周辺整備を早急にするようもとめた。
 また、産科、小児科問題および後期高齢者の新たな医療制度の問題でも質問した。
  
自民党/渡辺孝男議員
 病院の在院日数短縮化の問題について質問。在院日数を短縮するため、国が適正化計画を定めているが、その際、各都道府県知事や中医協などと相談し、「特定診療報酬」で調整するとしていることに懸念を示した。「特例」なしでも適正化されていくことがのぞましい。「特例」措置で良質な医療提供が妨げられないように注意して欲しいと要望した。
 生活習慣病改善の数値目標に関して、その具体的な目標、推進していく主体、都道府県の役割などについて質問。マンパワーの重要性、国と都道府県の援助の必要性を強調した。
 小児科の集約化、重点化について、内科医など他の診療科のドクターにも担ってもらうようにあらためて勉強する機会をつくるなど具体策をもとめた。
 産科が減っている問題について、とくに助産師の数や勤務形態、現状、役割について質問した。
 在宅でのガン治療について、在宅の患者にも看護師がモルヒネなどの医療用麻薬を届けることが可能になったということを厚労省に確認した。

                                    以 上

添付ファイル】 医療改悪反対共同ニュースO
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