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各分野・課題別の取り組み-医療・社会保障を守る課題
第164通常国会医療制度改悪反対共同ニュース2006年6月6日 bQ2/発行・中央社会保障推進協議会
6月6日、参院厚労委員会 定例日審議の模様

6月6日は、午前10時から6時間コースで、一般質疑が行われました。主な質疑の内容は以下のとおりです。この日の審議の最後に、地方公聴会を6月12日、北海道で開催することが確認された。

都道府県別診療報酬は「特例中の特例」と保険局長答弁
◇自民・武見議員
 都道府県別診療報酬の特例の部分について、「負担は公平、給付は平等という皆保険制度の基本理念を壊すことにつながるのではないか」と指摘し、格差が生じないよう配慮する必要があることを強調した。これに対し、水谷保険局長は、都道府県別の診療報酬は「特例中の特例」として、「公平に提供されると見なされる場合」のみ、知事からの申請を大臣が受け、中医協で十分検討されるものだと答弁した。
 また、武見議員はたばこ課税による喫煙抑制や生活習慣病に係わる健康増進事業における地域職域連携協議会の重要性、その中での生活保護世帯に対する配慮の必要性について、施策の確立を求めた。

国保の安定化求め、法案成立を促す
◇公明党・渡辺孝男議員
 渡辺議員は、市町村国保の現状や赤字地域の要因などを質問。これに対し、赤松副大臣は「要因はさまざまあり一概には言えない」としながら、保険者を都道府県単位に広域化すれば安定化が図られるかのような答弁に終始した。これをうけて渡辺議員は、法改正で国保財政が改善されるよう求めた。また、生活習慣病対策に係わって、がん対策の重要性を主張した。

健康診査事業に、歯科検診を含めるよう主張
◇民主党・島田智哉子議員
 島田議員は、NICUでの長期入院児童が多く、緊急受け入れが難しい状況などを指摘し、周産期医療の充実こそ少子化対策につながると、その対策を求めた。また、生活習慣病対策は重要だが、そのことで、今でも多くの課題を抱えている地域の保健師に更に負担を与えるものとならないよう求めた。 また関連して歯の健康について触れ、歯周疾患の罹患率が低い人は糖尿病等の罹患率が低いとのデータが出ている。民主党は健康診査に歯科の項目を含めることを要求してきたし、これからも要求したいとした。
 また女性医師問題に触れ、女性医師の割合が多くなってきている現状を踏まえると、子どもを生み・育てながら勤務を続けていくためには、働く環境の整備が緊急に必要だ。私も女性歯科医師の一人であり、女性医師バンクなどの試みだけでなく、早急に労働環境の改善を厚労省にお願いしたい、と述べた。

終末期医療医のあり方について質す
◇民主党・山本孝史議員
 山本議員は、まず終末期医療の問題を取り上げ、多くの団塊の世代が終末期を迎える2038年時点で、病院、介護施設、自宅のどこで終末を迎えるのかその比率の見通しを質した。これに対し川崎厚労大臣は、かつては80%が自宅でなくなっていたが、その比率は現在では逆転していることを問題視、少なくとも6割は自宅もしくは「自宅的なところ」にもっていきたいなどと答えた。また終末期医療のあり方をどう考え、それへの国民的合意をどのような手順で得ていくのかとの質問に、「政府があり方を想定して作ることは無理がある」としながら、いろいろな意見があっても診療報酬の体系は決めなければいけないとした。
 このほか山本議員は、レセプトのオンライン請求が予定より大幅に遅れていることや療養病床からの転換費用の一部に医療保険財政を当てること、特定検診事業のデータを保険者や事業主間でやり取りすることなどを問題視。特にレセプトのオンライン請求については、支払い機関の事務簡素化や診療内容のチェックによる医療費抑制の観点から、その推進を強く求めた。

医療費抑制はもはや時代遅れ、と追及
◇民主党・足立信也議員
 足立議員は、現代の医療は、医療費抑制の時代を超えて評価と説明責任の時代になったとして、医療費の一方的な削減は、医療の水準低下、専門職の離職に歯止めがかからない、画期的医薬品の供給不足をもたらすことが、OECD諸国の経験で明らかだとして、医療費抑制を最大のテーマとする医療改革を批判しました。
 続いて足立議員はおもに医療法の地域医療計画に関連して質問。政府案には一般病床の削減数が明示されていないことを問題視。民主党は人口千人あたり6.7床との削減案を紹介した。また医師不足問題では、政府の絶対数不足ではなく偏在が問題だという主張に対し、偏在の根拠となる適正水準の基準を示せと追及。松谷医政局長はまったくこれに答えられなかった。
 このほか、医療機関評価の客観性の担保、医療事故防止と被害者保護の第三者機関の設置などについて質問した。

特定健診は問題多いと追及
◇民主党・朝日俊弘議員
 朝日議員は、主に特定健康診査事業について、老人保健法による健診事業がなくなることによる、地域の公衆衛生分野に従事する人材の活用、被用者保険の被扶養者の扱い、労安法による健診や介護保険の介護予防事業との整合性などについて質問した。この中では、労安法が優先するが、健診項目の突合せなどは今後行うこと、被扶養者は、居住地の国保に委託するなど受診者の利便性を考えた措置が取れること、その際結果は各保険者に報告することなどが明らかになりました。
 朝日議員は、老健法の健診事業見直しの議論がまったく生かされていない内容だと批判、整合性の取れた体系とするよう求めた。関連して、経団連ヘルスケア事業部会が4月18日付でだした「要望書」を取り上げ、成果目標に「抑制する医療費の額」を上げていることやアウトソース先の事業所について基準が厳しすぎないように要望していることを問題視、政府の考えを質した。これに対し川崎厚労大臣は、「初めて読んだ」と応じ、具体的言及はしなかった。
 このほか朝日議員は、都道府県別の診療報酬の特例について、「特例中の特例」との答弁もあったが、都道府県からの発議だけで行ってもよいのではないか、と推進の立場から追及した。

混合診療拡大の危険性を追及
◇共産党・小池晃議員
 小池議員は、「保険外併用療養」の新設は混合診療の拡大につながるのではないかと追及、その対象として想定しているものを明らかにするように求めた。水谷保険局長は、「中医協で検討していただく」と答弁するのみで、具体的に対象になるものをあげることは避けた。小池議員は、高度先進医療の対象となった医療技術がのべ185、そのうち保険導入となったものが66という数字を明らかにさせた上で、20年間で66とは少なすぎると指摘、今回の診療報酬改定で50近い新規技術が新たに保険導入となったことを紹介し、「今後は保険導入の前に必ず『評価療養』を経る仕組みになるのか」と質問、水谷局長は「保険導入ルールを透明化する」と答えるにとどまった。
 さらに、2001年の財政審で医師の指名料や終末期医療などを混合診療の対象とすることが議論されていることに触れ、「これらのものが入るのか」と質した。水谷局長は「現時点では考えはない」と将来の可能性を示唆した。
 小池議員は、こうした混合診療拡大を求めているのが生損保会社やアメリカであると指摘、内閣府の規制改革・民間開放室の構成メンバー33名のうち17名が依然として民間企業からの出向者で占められていることをあげ、「利益誘導といわれても仕方がない実態だ」と追及した。
 小池議員は、この他、看護師不足問題を取り上げ、厚労省の第6次受給見通しの根拠の曖昧さを指摘した。

後期高齢者の別建て診療報酬は差別化につながる
◇社民党・福島瑞穂議員
 福島議員は、まず、2日の参考人質疑でイギリスやアメリカでの医療崩壊ともいえる事態が紹介されたことにふれ、日本がこれを繰り返すことのないよう法案の撤回を求めた。次に、介護保険の食費・居住費の利用者負担により各地で退所者が生まれている事実を指摘、厚労省に全国調査の実施を要求したが、厚労省は16県から調査結果報告が寄せられていることを明らかにし、「傾向は把握できている。それだけの理由での退所はほとんどない」として全国調査の実施を拒否した。
 福島議員は、医療と介護の合算で2008年度から負担限度額設定される内容について質問、水谷保険局長は「75歳で年間56万円を予定している」と答弁した。福島議員は、現行の高額療養費制度を含めて、償還制ではなく現物給付とすること、低所得者対策の充実を求めた。
 福島議員は、後期高齢者医療制度の別建て診療報酬を取り上げ、「終末期医療の評価などがあげられているが、終末期は高齢者だけでなくすべての年齢層であることで、75歳で線引きする正当性はない」と追及した。さらに、人頭払いや疾病別の定額制などが検討課題として報道されていることにふれ、「事実かどうか」とただした。水谷局長は、「方針を固めた事実はない」と答弁するのみで、可能性は否定しなかった。

                                  以 上




添付ファイル】 療制度改悪反対共同ニュースNo.22
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