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日本医療労働組合連合会 〒110-0013 東京都台東区入谷1-9-5 日本医療労働会館3F TEL03-3875-5871 FAX03-3875-6270 地図はこちら |
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医師の過酷な労働実態が明らかに!−医師の労働実態調査(中間報告)を発表− |
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日本医労連は2月19日、「医師の労働実態調査」の中間報告を発表しました。中間報告の内容は、以下の通りです。(下段にPDFでの文書・データあり)
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2007年 2月19日
医師の過酷な労働実態が明らかに!
「医師の労働実態調査」中間報告
日本医療労働組合連合会(日本医労連)
日本医労連は自治労連と共同して、全国で深刻な問題となっている「医師不足問題」について、その実態を調査し、問題点や課題を明らかにすると同時に、国や自治体、関係団体等に改善を求める「医師不足問題に対する提言」をまとめるため、「医師不足問題の施設調査」と「勤務医の労働実態調査」を行った。
調査は、昨年(2006年)11月から今年1月にかけ、日本医労連加盟の医療機関とそこに勤務する医師、自治労連に加盟する自治体病院とそこに勤務する医師、さらに各加盟組織が地域の医療機関などに協力を呼びかけ、岩手や和歌山など少なくない県から「医療施設調査」や「医師の個人調査」が日本医労連に返送されてきた。
現在まだ各地で調査が継続して取り組まれているが、現在までに集計された、25道府県約150施設1,036名の医師の「個人調査」の結果を中間報告する。
1、勤務医の属性=「30〜40歳代」が7割、担当患者数が300名以上(入院)の医師も
@「医師の個人調査」に回答してくれ、現在までに集計されたのは1,036名分、男性が828名(80.2%)、女性は204名(19.8%)で、「年齢」は、20歳代164名(15.9%)、30歳代389名(37.7%)、40歳代328名(31.8%)、50歳代128名(12.4%)、60歳以上22名(2.1%)と「30歳から40歳代」が7割近くを占めている。
A「世帯状況」は、未婚者が26.5%、・既婚者は67.3%で、「雇用形態」は常勤が81.8%、非常勤は7.3%、研修医も102名(9.9%)含まれている。また、「賃金」は月給制が91.5%、年俸制が3.9%、その他が1.3%となっている。
B「前月の担当患者数」は、記入されている数の平均で「外来」が214.6名、「入院」が21.4名となっており、多い医師では「外来」1000名以上、「入院」300名以上という人もいた。
C「担当科」は「内科」(120名)が最も多く、「外科」(112名)「産婦人科」(82名)「整形外科」(81名)「小児科」(77名)などが多かった。
2、3割の医師が「過労死ライン」の80時間以上の超勤、3割近くが「前月の休みゼロ!
@ 過労死まで引き起こしている勤務医の「勤務時間」の深刻な実態が今回の調査で明らかになった。「夜間・休日の救急医療の勤務体制」では、「交代制勤務」は6.1%で、他は「宿直・日直制」「待機・拘束」となっている。「前月の宿直回数」の記入者の平均は2.9回だが、「4回以上」が24.6%と4人に1人がほぼ毎週やっている。「日直の回数」の平均は1.0回、「前月の待機・拘束」の平均回数が11.1回と3日に1度やっており、「実際の呼び出し回数」の平均は4.3回となっている。
A 日勤後の宿直勤務で、宿直明け後の勤務が「無い」のは、3.3%のみで、74.5%の医師が「宿直明け後も勤務」している。日勤後の宿直、宿直明けの日の勤務という(8+16+8=)32時間勤務を7割以上の勤務医が月3回位行っていることになる。
B「1日の労働時間」の平均は10.5時間であったが、「12時間以上」が44.5%と半数近くおり、「週の労働時間」も平均は58.4時間だが、「65時間以上」が32.7%と3分の1となっている。
C「最長の連続した勤務時間」の平均は32.3時間であったが、「36〜41時間」の連続勤務時間が最も多く36.8%おり、「30時間以上」は71%と7割を超えている。
「最長の連続した勤務日数」の平均も19.5日と時間外労働と合わせ、睡眠時間も取れず、休みも取れない勤務医の超長時間労働が常態化している。
D「時間外労働」では、「平均的な1日の時間外労働時間」が、記入者の平均で1日大体2.7時間となっているが、「4時間以上」が24.2%と4人に1人、「前月の総時間外労働時間」の平均は63.3時間となっているが、3割を超える31.2%の医師が「過労死ラインの80時間以上」の時間外労働を行っている。
「時間外労働の請求をしている」医師は38.6%で、「時々請求」(27.2%)「請求しない」は30.5%と3割の医師が時間外手当を請求していない。
E「休憩時間」も「取れる」のは20.8%のみで、「あまり取れない」医師が54.4%と半数を超えており、「まったく取れない」医師も23.3%と、8割近くが休憩も取れない労働実態にある。
さらに「休暇の取得」でも「前月休んだ日数」の平均は3.3日で、週1回も休みが取れておらず、「前月休んだ日数ゼロ」の医師も280人(27.0%)もいた。また、「昨年1年間の年休取得日数」の平均は3.7日で、「ゼロ」の人も289人(27.9%)いた。
3、女性医師のほとんどが生休も取れず、「妊娠時の異常」が6割近く
@ 女性医師の「生休取得」は、「取れない」が97.9%と、ほとんどの人が取れず、出産経験者の「妊娠時の状況」も「順調」は42.6%で、6割近くの女性医師が妊娠時の異常を経験している。「切迫流産」の経験者も2割以上となっている。
A「妊娠時に受けた保護・支援措置」では、「特に措置を受けなかった」人が24.1%おり、受けた人では「夜勤・当直免除(42.6%)や軽減(27.8%)」が多くなっている。
4、「健康不安、病気がち」が4割以上、9割以上が「疲労を感じ」、5割以上が「職場をやめたい!」
@「健康状態」の設問に対し、「健康である」と回答した医師は53.1%であったが、「健康に不安」(34.4%)「大変不安」(6.3%)と、「病気がち」の医師2.5%を合わせると、4割以上の医師が「健康不安・病気がち」の状態にある。特に50歳代の医師の「健康不安」が多い。
A「疲れの状態」も「別に疲れを感じない」医師は6.5%にすぎず、「疲れを感じるが次の日までには回復している」(31.1%)「疲れが翌日まで残る」(40.2%)「休日でも回復せず、いつも疲れている」(19.0%)の「慢性疲労状態」の医師が6割、「疲労を感じる」医師は9割を超えており、特に30〜40歳代の医師の疲れが深刻となっている。
B このような労働実態、疲労・健康状態のなかで「職場をやめたい」という医師も「いつもあった」(10.5%)「しばしばあった」(16.1%)「時々あった」(26.3%)と52.9%、5割以上の医師が「職場をやめたい」と考えており、「なかった」のは23.3%にすぎない。特に「30〜40歳代」の医師の約6割が「職場をやめたい」と考えている。
5、9割が「医師不足」を感じ、「賃金・労働条件の改善」を8割以上の医師が求めている
@「医師不足」を感じている医師は90%に達し、「感じてない」は5.5%にすぎない。
A「医師確保・退職防止に必要な条件・環境」について該当する項目すべてを選んでもらった中では、「賃金や労働条件の改善」(85.8%)が8割以上の医師が求め最も多く、次いで「診療科の体制充実」(51.4%)、「看護師・コメディカルを充実して医療体制のレベルアップ」(44.6%)、「医療事故防止対策の充実」(41.8%)、「国や自治体、大学の対応の改善」(41.6%)などを4割を超える医師が求めている。
B「自由記入欄」に「医師不足の実態や勤務・体制等への要望」を記入してもらったが、364人の医師が詳しく実態や国や自治体などへの要望を書いてくれている。
その中では、特に「当直明けの休み」や「休日の保障」などの勤務状態の改善、「医療事故や訴訟等の不安」「国や大学への改善の要望」等が多かった。
( 以 上 )
文書(PDF)のダウンロードはこちら→医師の労働実態調査(中間報告)
文書(PDF)のダウンロードはこちら→医師不足(分析データ・2.31M)
文書(PDF)のダウンロードはこちら→医師不足アンケート(コメント・1.93M)
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