医労連  
働く者の権利-職場のチェックリスト

9 賃金は直接本人に全額支払われなければならない

労働基準法第24条(賃金の支払)
 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
 ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は命令で定める賃金について確実な支払の方法で命令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
2 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので命令で定める賃金(第89条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。
賃金は、@通貨で、A直接労働者に、Bその全額を、C毎月1回以上、D一定の期間を定めて、支払われなければならないことになっています。(労働基準法第24条)。

賃金は、通貨で、直接本人に支払われることが原則ですが、口座振込みの場合は、労働者の合意があること、労働者が指定する口座に振り込まれること、振り込まれた賃金の全額が所定の支払日の午前10時までに払い出しが可能になっている、の3つの要件をすべて満たすときだけ認められています。

賃金が全額支払われると言うことは、福利厚生費や出資金などが使用者によって一方的に賃金から天引きできないと言うことです。
 また、使用者が労働者にお金を貸していても、貸付金として賃金から天引きすることは禁止されています。
 使用者と労働者の過半数で組織する労働組合または、そうした労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者が、書面による労使協定を結ぶことによってはじめて天引きを行うことができます。

毎月1回以上、一定の日に支払われることは「毎月20日から25日に払う」などの設定は認められないと言うことです。
コラム 2002年春闘で、ある経営から2001年度の決算で経常利益が確保されたため職員へ決算賞与を支給するが、リニューアルにともなう土地取得のための資金繰りが厳しいため決算賞与は、出資証明で支給するとの表明がありました。
 これに対して労働組合は、労働基準法第24条に定める「賃金支払」の5原則のうち「@通貨払い、A直接労働者に、Bその全額支払」に反するものとして、ただちに抗議し経営側の出資証明をやめさせ、現金での支給を行なわせました。
目次へ 前のページへ 次のページへ
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。2005 Japan Federation of Medical Worker's Unions, All rights reserved.