住民のための医療・介護って…
「第19回看護講座」に300人
 「今、いのちと安全を守る看護を問う‐。住民のための医療・介護って…」をテーマに、10月15〜16日の日程で第19回看護講座が神奈川県・横浜市教育会館で開かれました。神奈川県医労連、国民医療研究所などで構成する実行委員会が主催、全国から300名が参加しました。
 1日目は、第1講座「日本の看護・介護は〜諸外国との比較」と題して、日野秀逸先生(東北大学大学院教授、国民医療研究所所長)が講演しました。イギリスやアメリカの看護・介護の実態について日本との比較も交えながらスライドを使って報告。医療・介護をめぐる情勢と課題を明らかにするとともに、看護師としての成長、看護への向き合い方などにもふれながら、「多忙な中でも現場を学習の足場に」することの大切さを強調されました。
 続いて第2講座「生き生きと働き続けるために〜体内リズムって?」と題して、佐々木司先生(労働科学研究所主任研究員)が講演。夜勤の身体への影響を生理学的、科学的データに基づいて解明。夜勤時の休憩・仮眠の重要性を明らかにしました。
 2日目は、県看護協会会長の浅川明子氏をコーディネーター(進行役)にシンポジウムを開催。家族介護の当事者や医師、介護士、SWの4人のパネラー発言とフロアー発言を交えながら「住民のための医療・介護」をテーマに活発な討論が行なわれました。
 小泉内閣が進める「構造改革」のもとで、国民は医療・介護を受けたくても、受けられない事態が生まれています。一方現場では、慢性的な人手不足や、劣悪な労働条件が置き去りにされ、「安全・安心」の問題が鋭く問われています。この状況を打開するためにも、医療・介護労働者の大幅増員が必須であることが講演やシンポジウムを通していっそう明らかになりました。
 看護講座の詳報は、国民医療研究所・所報「国民医療」11月号に掲載予定です。