国立病院全職員の雇用確保へ
全労連 雇い止め阻止闘争本部 結成
 2004年4月に独立行政法人化される国立病院・療養所の賃金職員(定員外非常勤職員)の雇用を守るため、全労連は、8月20日、闘争本部を立ち上げました。熊谷金道議長を本部長として、100万人署名など、国の首切り「リストラ」許さないたたかいに全力をあげることを意思統一しました。

 全国の国立病院・療養所の職員約6万人のうち、賃金職員は看護師を中心に約9千人。正規職員の定員削減を補うために雇われ、正規と同じ仕事をしていながら処遇格差があります。
 来年4月、独立行政法人へ移行する全賃金職員のうち7500人の雇用が承継されるかどうかは未定で、厚生労働省は「独立法人の理事長が判断する」としています。賃金職員約4000人を組織する全医労によると、厚労省は法人運営に関して委託や派遣、看護師のパート化などを検討中で「数千人の雇い止めが予想される」としています。
 全労連はこうした事態を重視し、7月の評議員会で国鉄(現JR)とNTTに次ぐ「リストラ反対の拠点闘争」に位置づけ、闘争本部を設置することにしました。正式名称は「国立病院職員の雇い止め阻止 全労連闘争本部」です。
 闘争本部は、(1)9月末まで100万人署名を推進、(2)理事長任命日の10月1日の全国宣伝、(3)同16日の千人規模の中央行動、(4)11月の厚労省座り込みなどに取り組み、「労働行政をつかさどる厚労省が労働者の首を切るのか」と追及していいきます。岩田事務局長は「賃金職員は差別されてきた上に、一方的に解雇されかねない。規模からいっても公的医療を守るという意味でも重要なたたかいになる」と述べました。

現場の賃金職員がたたかいの決意表明

 結成総会では、国立療養所東京病院(清瀬市)に勤める全医労組合員の亀田みち子さん(保育士、賃金職員)がたたかう決意を語りました。

◇     ◇     ◇

 東京病院(職員数約500人、約700床)には65人の賃金職員がいます。私は院内保育所で17年働いています。
 賃金職員は毎年3月に雇用説明会があり、4月に1年の任用(雇用)の辞令を受けとります。ポストが空けば正規職員になる道もありますが、多くの人が何年たっても正規になれず悔しい思いをしています。それでも賃金職員として10年も20年も働いているのは、仕事に責任をもち生活もあるからです。
 今年の説明会では病院は「任用は今年度だけ。来年以降の雇用は保障しない」と繰り返しました。
 私は採用の際、「定員職員と同じ労働条件です」と言われました。8年前の厚生労働省の業務改善命令によって賃金職員の年収は百万円下がりました。賃金職員は「日々雇用」なので、出勤日数で月の賃金が決まります。出勤が19日しかない月は厳しく、休みが増えると本当に困ります。
 私は正規職員と賃金職員の賃金差別などについて国連やILO(国際労働機関)に訴えに行き、処遇が一定改善された経験があります。「訴え続ければ、一つ一つは小さくても、花を開く」と確信しています。ともに頑ばりましょう。