いま病院給食が危ない!
全医労近畿ブロックと医労連関西ブロックでシンポジウム
たたかいはこれから!病院給食守ろう

 8月9日、大型台風の余韻が残るなか、全医労近畿地方協議会と医労連関西ブロックの共催で、『考えよう! 患者の立場に立った食事とは』というシンポジウムを開催しました。
 特別講演として、聖隷三方原病院の栄養科科長、金谷節子先生に話をしていただきました。患者さん個人個人を大切にする食事、フルセレクトメニューによって、残菜がなくなっている現状、真空低温調理等を取り入れる事によるメリットなどを話していただきました。あっという間の80分でしたが、自分たちの目指すものに突き進む勇気、たたかい勝ち取っていく粘り強さを感じました。
 引き続くシンポジウムでは、小児科医として食物アレルギーに取り組んでいる眞鍋先生から、食事の大切さ、早期に除去食を開始することの重要性が話され、ちょっとしたアレルギー教室となりました。
 小坂さんは、筋ジストロフィーで20年間療養されたなかから、給食についての意見を優しく話してくださいました。
 続いて国立刀根山病院の大澤料理師長から、現在国立病院・療養所における現状、攻撃の内容が報告された後、嚥下食の取り組みが話されました。
 その後、金谷さんからは、無農薬及び食材の問題、地球環境の問題から真空調理を実践している、現場には障害をもっている方も一緒に働いて、互いの能力を認め合っている等、幅広い見地からの意見が出され、農薬・環境という面においても病院給食を考えていかなければならない、と話されました。フロアからの発言もいただき、シンポジストからの発言で全体を終了しました。
 このシンポジウムは、国立病院の独立行政法人化に対して、給食部門がどう“たたかって”いくのか、生き残っていくためには、「何を」しなければならないのかを知るための取り組みの出発点とするためのものでした。
 また国立病院の給食現場は、人員不足、超勤削減、果ては材料費をケチるというところまできています。厚生労働省の攻撃の実態を広く知らせ、たたかいの輪を広げること、医労連として給食現場に共通する委託問題とたたかう重要性が明らかになりました。
 たたかいはこれから、医療と患者給食、職場を守るために私たちは負けるわけにはいきません。羅針盤をしっかりもって、とにかく生き生きと頑張るしかないと思った1日でした。
(大阪医労連・染原剛)