安全・安心の看護実現へ 全職場で「大運動」を
「1対1」「1.5対1」看護の実現
看護現場の働くルールの確立を!
2003年秋・看護要求実現交流会開く

メッセージ運動と増員署名を軸に

 9月2〜3日、日本医労連は、伊東市で2003秋・看護要求実現全国交流集会を開催し、7全国組合・37県医労連から190名が参加しました。
 集会では、前川昌人副委員長の主催者あいさつの後、大村淑美看護闘争委員長が基調報告を行いました。
 基調報告では、03年秋闘で、「大運動」を10〜11月に特別月間を設けてとりくむこと。看護師増員求める国会請願署名や看護師のメッセージ運動を軸に、社会へアピールするとともに、国や国会議員、中医協委員への働きかけなど「国の法改正にむけての運動」と、事故防止と働くルール確立にむけての「職場改善の運動」を提起しました。
 「2年課程通信制」の希望者全員が受講できる体制と支援づくりとともに、看護制度一本化の運動の構築を強調しました。
 井上久闘争委員会事務局長が、2〜3月に実施した「看護現場の事故防止全国調査」の結果を報告。その中では、(1)安全管理委員会の設置など形や体制は整えられているが、具体的な対策は不十分になっていること、(2)看護職の大幅増員や「安全のコスト」の保障が重要になっている実態が浮き彫りになりました。
 今野久子弁護士の「働くルールの確立」と題しての記念講演では、リストラ・失業、パート・派遣・契約社員など労働者全般の現状や日本社会の働くルール破壊の実態、事故防止と合わせて、医療現場の働くルールを確立することの意義などが話されました。

職場は変えられる

 職場からたたかいの報告として、(1)「夜勤協定の再協定と予備率15%を獲得」(長野厚生連労組・工藤きみ子)、(2)「クリニカルラダーの当院導入にたいして」(全労災大阪支部・横山智子)、(3)「この秋、看護師ふやせの運動を‐看護師のメッセージ運動‐」(全国組合協議会・岡田光久全日赤副委員長)、(4)「2年課程通信制のよりよい内容での実施にむけて」(大分県医労連・中野由紀江)の4つを受けました。
 2日目は、4つの分散会と看護制度分科会に分かれて討論。分散会では、経営効率優先の「生き残り」策が、看護現場にすさまじい「合理化」をもたらしている実態や、社会の状況を考えると「働けるだけまし」の思いになりがちな職場の実態が、各地より報告されました。事故を防止し安心できる看護を提供するためにも、大幅増員が要になること、国の制度を変えることの重要性を確認し、「秋の大運動」を職場で実行していくための熱心な討議を行いました。

全員の受講保障を

 分科会では、当面する「2年課程通信制」の希望者全員の受講の保障と、充実した支援措置を求めて論議を行いました。「各県1校」を目標に、養成所の県内での設置を求めて、県と交渉や懇談を重ねてきた教訓や、経営者に受講支援を求めた運動などを活発に交流しました。

事故なくす10ヶ条

 まとめの集会では、分散会・分科会の報告、新しく結成された滋賀県野洲病院労組の決意表明、看護闘争始まった時から奮闘の植木さん(神奈川県医労連)から、この秋もう一度看護闘争当初のような運動の高揚をつくろうと決意が語られました。
 また集会中に「事故防止の○ヶ条」を募集し、「看護現場の事故をなくす10ヶ条」を決定しました。今後の職場の運動に活かしていくことを確認しました。
 工藤きみ子副闘争委員長の「厳しい情勢に臆せず、看護職が元気にこの秋運動に足を踏み出そう」のまとめで閉会しました。

看護職場の事故をなくす10ヶ条

■ 増員で ゆとりと安全 とりもどそう
■ なくせサービス残業 つくるな過労死
■ その疲れとって守ろう 命と安全 しっかり休養 バッチリ頭脳
■ 危ないよ 割り込み業務は 事故のもと
■ 聞いて 見て 注意し合える気持ちよさ 話せる職場が事故防ぐ
■ 規則と手順 決めて まもれる環境を
■ 口頭指示は事故のもと 緊急以外は文字にして
■ 薬の間違いなくそう 類似薬品のいっそうを
■ 機器の耐用年数切れなくそう 安全性と使いやすさ第1に
■ インフォームドコンセント 患者とともに事故防止