労働政策審議会職業安定分科会
民間労働力需給制度分会 殿
医療の安全・安心を阻害する派遣解禁に反対する
医療分野における派遣解禁は、1999年の労働者派遣法「改正」後も「派遣になじまない業種」として禁止されてきた。医療事故問題が国民的な課題となっている今日、医療の安全・安心確立に逆行するものであり、「紹介予定派遣を活用した場合に限る」派遣解禁議論は、本末転倒で許されない。国民の求める安全・安心の医療確立の視点が欠落した厚労省医政局の「医療分野における規制改革に関する検討会報告」そのものの検証が不可欠であり、「いのち」の責任の所在を明らかにする必要から、派遣解禁に反対する。
そもそもこの間の経緯から言えば、今回の派遣法「改正」の前提となった昨年12月の労働政策審議会建議で紹介予定派遣に事前面接を認めた中でも医療業では派遣を見送ったものである。医政局は、総合規制改革会議などからの強い圧力のもとで法案成立前から「検討会」を設置し、結論ありきで論議をスタートさせ、「報告会」をとりまとめた。手続きの点でも、安全・安心の医療確立という保健衛生・行政の点でも、労働者代表が入らない医政局「検討会」審議という点でも、極めて問題である。
安全な医療確保へ、チーム医療の確保、医療技術者の総合的なマンパワー対策、雇用の安定と質の高い医療技術の提供など、医療事故対策の強化など、最適の医療提供を行う視点からの検討こそ必要であり、「派遣解禁」に反対する。
(以上)
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