岐阜民医労・専従配置で
仲間を増やして元気になった

働くものを大切に地域医療まもる運動も

 日本の労働組合組織率が20%を割る中でも、日本医労連は元気です。この間、「組織拡大」で頑張っている組合に迫ってみました(1〜2面)。

 岐阜駅から郡上八幡方面行きのバスで30分余りの所に岐阜勤医協・みどり病院があります。岐阜民医労は、みどり病院を始め、薬局、ケアハウスなどの5法人・10施設に働く職員を対象にした労働組合です。
 03年9月、念願の「労組専従」を置くことができました。初代専従書記長となったのは、みどり病院に入職して、医事事務やソーシャルワーカーとして働いてきた林伸吾さん。その後の「組織拡大月間(10月〜12月)」には、とりわけパート労働者やヘルパーなど中心に50名が組合に加入し、全体で233名(12月24日現在)の組合になっています。専従を置いたことで、組織拡大にも組合活動にも大きな実が育っています。

 専従の配置が職場団結の要に
 労組の「専従配置」計画は、数年前から議論をはじめ、2年前の定期大会で提案。03年度からの組合費の値上げも予備提案されました。
 組合員の意見としては、不況もつづき、賃上げもままならないなかで、「正直、組合費が上がるのは…」という声もありましたが、「3〜4年は成果を見ていてほしい」と話をしてきた、と病棟担当執行委員(書記次長)の橋本明与さんは言います。
 しかし、3〜4年と言わずとも専従配置から、すぐ成果は表れました。
 03年秋闘では、職場討議も2回に分けて行うなど、職員全体の意見を聞き、まとめることで団体交渉への参加者も格段に増えました。これまでは、第2回、3回と交渉が進むにつれ、執行部団交になっていたものが、秋闘では、2回目でも40人が参加するなど、職員の団交にかける意気込みも変わってきました。

 ニュース通して見える組合へ
 職場をまとめるのに一役買っているのが、組合ニュース「輪話和(わわわ)」です。この「輪話和」は、川嶌伸友委員長が書記長時代に組合ニュースをリニューアルして以来のもので、この11月27日に「400号」を迎えました。専従を置く前は年平均17回発行だったものが、現在は週1回ペースでA4版4頁での発行を続けています。
 「職場回りする材料が必要なんですよね。組合が何やってるか見えない、という声もあって。組合活動に参加しなきゃいけないという『無言のプレッシャー』にもなるかと…(笑)。自分の仕事はまずニュースを出し続けることです」と林さん。

 地域医療を守り充実させる活動へ
 職場には様々な問題も山積しています。「4週8休導入以降、とくに有休取得がすすまない。若い職員らに権利意識が薄い」(外来医事・中澤諭さん)、「オーダリング導入計画に伴って、職員定数があいまいなまま」など病院の将来展望に対する不安も数多くあります。
 この秋は、日本医労連の「安全・増員署名」を持って、労組としては久々に地域へポスト入れしてまわりました。住民からは、署名用紙の欄外に励ましの言葉が書かれて送り返されました。
 「今までなかなか取り組めなかった労組としての地域医療を守る活動や経営へのアプローチも行っていきたい」と川嶌委員長は語ります。
 専従実現には、医労連東海北陸ブロックからの後押しもありました。とりわけ専従の先輩、愛知の原英彦さんからはとても励まされたとのこと。今後の林書記長を先頭にした組合活動に期待したいと思います。