「組織拡大月間」埼玉・共済病院労組
やった 組合員を7倍化

県定期大会参加をきっかけに  「何とかしなければと」

 県定期大会参加をきっかけに
 埼玉・博仁会共済病院労働組合は、「秋の拡大月間」に組織を7倍増の飛躍を勝ち取りました。
 きっかけは埼玉医労連第32回定期大会に2名の組合員が参加したことでした。大会での討論や仲間との交流を通して「みんな私たちと同じような状況の中、何とかしようと頑張っている。私たちの組合も何とかしなければ」「今までのように執行委員長任せではなく、自分たちがもっと組合員を増やさなければと思った」と、大会に参加した荒井由美さんと大中明美さんはいいます。健保大宮支部の病院を守るために地域住民と共同してさいたま市議会請願を決議させた取り組み、全医労の賃金職員の生活と雇用を守るたたかいなどにも強く共感し、県医労連の大川修執行委員長の「患者さん、地域住民の視点に立ち、力を合せて運動を進めよう」という総括答弁に強い確信を得たそうです。

帰ってからすぐ呼びかけ開始!
 2人は早速、組合員に協力を訴え、未組織の職員に組合加入を呼びかけました。また同時に新しく加入を決意した組合員には組合説明会をその都度行ない、10月18日には組織は2倍の15名まで増えました。
 組織が増える中、「もっと組合員の要求を知りたい」と職場集会を重ねました。多くの組合員から口々に「もっと患者さんと接する時間が欲しい」「職場に相談もなく看護助手の委託が入っているが、職場はかえって混乱している」「経営者は、職員の声を聞かずに勝手に何でも決定する」など、意見も相次いだため、もっと要求や不満を具体的につかもうと、今度は組合ニュースと職場アンケートを作成し、全職員に配布しました。
 多くの職員が組合ニュースに関心を示し、「もっと患者さんを大切にでき、誇りをもって働ける職場にするためにも、組合を大きくしなければ」という執行部の訴えをうけ、さらに組織拡大が進みました。一度は組合を脱退していた職員も組合へ再加入し、現在組織は50名までになりました。

なぜ組合が必要? 自分の言葉で話す
 このきっかけを作った荒井さんと大中さんによれば、「今までと違ってただ『組合はいってよ』というだけでなく、どうして組合に入って欲しいのかが、自分の口で話せるようになった。そうしたら、今まで組合に入らなかった人が、次々に入ってくれるようになった」といいます。同時に、「どうして組合に入って欲しいのかを語った結果、新組合員、再加入者も含めて加入書を片手に、みんなで組合に誘い合うようになった」といいます。
 組織が前進する中、経営者も組合を軽視できない状況になりました。「これからの理事会の決定は、労使合意を原則に、一方的な決定を行なわない」ことを求めて産別交渉を行ないました。執行委員長を除く全ての組合員が、団体交渉初参加という中でも、職場での思いや不満を自由に述べる交渉となり、事務長は「これからは理事会も、組合と話し合いながら物事を決定していく」と答えました。一時金の回答は「正職2・0カ月、パート一律50、000円」と前年同率を確保しましたが、多くの組合員は納得がいかず、以降も職場集会を重ねました。理事会は、正職員が一律+4、000円、パートは一律+2、000円と回答を引き上げました。組合では「一律でプラス10、000円は取ろう」と、現在も頑張っています。

頑張る組合はやっぱり必要だ
 組織拡大が前進し、運動も労使関係も要求も前進する中、多くの組合員は口をそろえて「もっと組合員を増やさなければ」といいます。再加入者も、「今までは組合はあっても無くても一緒と思っていたけど、こうやって頑張る組合なら必要だと思うし、組合費を払ってもいい」といいます。結成時より組合員だった福田貴美子さんは「組合だけは何とかしなければと思っていた。今は本当に嬉しい」といいます。
 澤藤俊昭執行委員長によれば、「今までは協力してくれる仲間が少なくて、一時は投げやりな時期もあったが、今はみんなが協力してくれる。要求も増えて、活動は忙しくなったけど、今は執行委員長を続けて良かったと思う」と笑顔で応えてくれました。
 共済病院には120名あまりの職員が働いています。まだまだ多くの職員が組合に加入していません。組合では、現在も「もっと組合を大きくしなければ」と頑張って活動しています。【埼玉・吉田直弘】