政策提言を力に
町ぐるみで病院再建へ 【高地】

いつでもどこでもだれでも安心してかかれる医療を

町立高北病院の危機
 高知県の中部、佐川町は人口1万5000人の小さな町です。この町にある町立高北病院は、125床と規模は小さいながら、住民にかけがえのない病院となっていました。ところが、慢性的な経営困難に加え、医師不足や不正経理問題が発生し、現在深刻な状況に置かれています。とくに地域住民にとっては、産婦人科の休診に続き、今年4月からは小児科も休診の可能性があるということで、切実な問題となっています。

『守る会』の発足
 このような中、高知県医労連の当該の高北病院職組や、医療生協佐川支部、佐川町職などが中心となり、『佐川の医療を守る会』を昨年の10月末に発足させました。
 会では、医師確保と病院の充実を求める署名や町長との話合い、県への要請などに取組んできました。
 土・日曜日には、スーパー前などで署名にとりくみ、県医労連も統一の宣伝行動と位置づけ行いました。署名は約1ヵ月間で1万1000筆に達しました。12月1日には署名を中山博司町長に提出しました。

政策提言が起動力に
 同時に「高北病院を町民のための病院にするために|保健・医療・福祉の総合的展開めざして」という政策提言を手渡し、意見交換を行いました。
 提言は、現状認識と危機の打開方向、高北病院の理念・具体的な機能、組織のあり方からなっています。
 町長からは、「町民の方々の思いを重く受け止める」、「提言には8割方賛同」、「現在、その方向で病院改革委員会で精力的に論議している」との表明がなされました。

運動が町ぐるみに
 会では、議会の教育厚生委員会へ訴えたり、全議員訪問を行うなどし、12月議会で「高北病院の医師確保・充実を求める決議」が、全員一致で採択されました。
 会の「理念を明確にした病院経営」の提起が、大きな力になりました。
 行政の改革委員会には、組合代表が正式メンバーとして入っています。
 1万を超える署名と政策提言を原動力として、行政、病院、守る会、組合が力を合わせ病院再建の決意を固めています。
(記・田口朝光)