「成果主義賃金」導入を撤回
【結核予防会労働組合】

 結核予防会は人件費抑制や、診療所・健診部門の統合など、財政再建による黒字転換をとげ、さらに「職能資格給」の導入を提案してきました。組合は学習を進め、職員一票投票での77%もの導入反対をもとに、賃金・労働条件を下げる委員会へは参加できないとし、経営側もその時点での導入を見送りました。

組合で14回の学習会
 この間の医療情勢の下、02年7月経営は医師への新人事制度(年俸制の成果主義賃金)を導入し、組合が反対する中、年末には全職員への制度導入を示し、説明会に入ろうとしました。
 組合は03年1月7日、経営に抗議し、「新人事制度が何をもたらすか」の14回もの学習会を行い、質問書も示して4回の団体交渉に臨みました。しかし経営は具体的回答をさけ、時間切れとして、労働組合との合意なしに、新人事制度を昨年10月強行実施しました。

生活に深刻な影響
 組合はこれを不当労働行為に当たるとし厳しく追及しました。すでに6年もの一時金削減で職員の生活は圧迫され、さらに新人事制度の導入では、扶養手当が一時金にはね返らず、一律部分の廃止による若年層への影響も深刻です。逆に管理職手当の大幅加算は、一般職のカットを財源にした優遇といえます。

若年層への影響
 さらに新給与体系では、現在1万円程の若年看護師の「定昇」が半減し、「評価給」込みで6千円台にまで下がる事が予想され、これでは「若い人、頑張る人への評価」という経営の言葉とは逆に、若年層・若年看護師賃金の圧縮が目的であるといわざるをえません。
 また、何をどう「評価」するか等、多くの問題点をもつ新人事制度が、職員の大きな反発のなか導入されれば、制度がまともに機能し得ないばかりか、職場の信頼関係にも大きく影響することは明らかです。

産別・地域の闘い
 組合は経営に対し、従来の正常な労使関係を無視する行為を改め、「新人事制度」導入前の状態に戻し、組合との十分な協議や交渉を行うことを要求し、止む無く抗議の半日ストライキへの突入を通告しました。
 同時に、産別・地域の仲間に、理事長宛「抗議・要請書」の取り組みを呼びかけました。
 東京医労連や地域の支援の広がりは、経営側に見直しを迫る力となり、昨年11月18日の団体交渉で、経営側は「管理職以外への新人事制度は、04年10月導入をめどに、経営と組合は真摯に協議する」とし、「成果主義賃金・新人事制度」強行導入を撤回しました。スト中止連絡後、報告集会には45組合・90名が支援に駆けつけました。