秋闘で回復させた労使の信頼
【富山民医労】

 昨年8月に、変形労働時間制の導入を行なう就業規則の一方的不利益変更が、労働組合の反対にも関わらず行なわれました。対象となった職場は、富山協立病院放射線科、ヘルパー、当直事務でした。放射線科については、3月27日に提案して、4月1日から試行したいと提案があったものを、十分な協議は行なわず届け出て、ヘルパー、当直事務については、変更となる労働条件も示さないままの変更届けでした。
 労組としては、十分な協議を伴なわない就業規則の不利益変更は、労使関係を乱すものとして、この間の経営協で指摘し、秋闘要求にもこの問題をとりあげ、撤回・白紙に戻すことを要求してきました。労使の今後の関係に関わる問題と重視し、他の秋闘要求と分けて団交を求めてきました。
 11月28日の団交にむけた回答書は、増員要求に関して、「人員配置は、事業計画に基づくものであり、労組からの要求になじまない」「どんな根拠で要求されたかわからない」という、労使関係を根本から否定するものであり、撤回・削除を求めましたが、理事会は、将来展望を含めて厳しいから、この回答になったと開き直りました。
 労組執行部は、その後の交渉が進まない状況を受け、非常勤理事への手紙の郵送と、進展しない場合は、第3者機関を活用することを意思統一しました。
 年末12月22日の団交で、理事会は文書を差し替え、変形労働時間制の協議での不備は認めたものの、就業規則の変更は妥当という姿勢を変えませんでした。
 他の事項では、妥結をしながら、就業規則の一方的不利益変更問題にしぼり、産別を含めた執行部交渉を行い、(1)就業規則の一方的不利益変更問題で理事会が謝罪し、今後の労働条件変更については、労組との合意無しに行なわない、(2)ヘルパーを除いて、導入された放射線科については、元に戻すことを含め協議し労使協定を結ぶ、(3)変形労働時間制の導入については、労使協定を結ぶことで、1月8日合意しました。
 労使の関係はあいまいに出来ないと繰り返し、執行部で確認した成果です。
(富山民医労・嵯峨書記長)