【岩手】 県民総決起集会に730人
許すな、自治体リストラ県立病院縮小

 県立病院の充実・強化を求める岩手県連絡会は1月24日、盛岡市内で、『県立病院の縮小・サテライト化反対県民総決起集会』を開き、県内から住民・医療従事者など730名が参加しました。

大幅病床削減で県立病院が消える
 岩手県医療局は、財政危機と医師不足への対処として、県立病院改革基本計画案を昨年発表しました。これは現在27ある県立病院のうち、14病院で5年間に12病棟720床を削減するもので、看護師150人の減員が予想されます。
 計画では医師をはじめ、「人・物・金」を大病院に集約するサテライト構想や、病院給食・医療事務の委託問題が浮上しており、病院機能の縮小に対し、地域住民からは「県立病院が地域から消える」との不安の声があがっています。

議会・住民による反対運動の広がり
 こうした事から、サテライト施設と指名された14市町村議会全てで、県立病院縮小再編に反対する請願を採択、意見書が提出されました。その多くは岩手県医療局労働組合が提出した請願に基づくものです。
 陸前高田市や住田町では、「充実強化を求める市民の会」が結成され、地元の県立病院の存続、充実発展を求める運動が拡がっています。
 『決起集会』はこうした住民運動を一同に集め、2月県議会への取り組みを県内各地で進めるために開催されたものです。

入院患者追い出す県の計画
 開会あいさつで佐々木茂喜委員長(岩手医労連)は、「集会を機に、県内の全入院患者の1/3、全外来患者の1/2が利用する県立病院を守り、充実させよう」と述べました。
 また、主催者あいさつでは菅野議長(いわて労連)が、「入院患者を追い出す県の計画を撤回させる決意で、県民的運動を巻き起こそう」と呼びかけました。

夜も安心して寝られず
 引き続き、県内各地域の『住民の会』の活動や署名運動が報告され、婦人団体連絡協議会からは、九戸村の伊保内会長が、約70人で村民の7割に当たる5655人の署名を集めた、村から県立病院が無くなれば「夜も安心して寝られない」と述べました。
 また、陸前高田市の村上会長は、「『足』を持たない高齢者や、家事・育児で時間のないお母さんたちにしわ寄せが行く。医療だけは行政が何をさておき最優先に」と強調しました。

県民の声受け止めよ
 集会の最後に、「県は17議会の意見書を尊重し、パブリックコメントでの圧倒的反対の声を受け止め、県立病院の縮小計画を抜本的に見直すよう強く求める」とする集会アピールを決議し、県庁周囲をデモ行進しました。