2004年度診療報酬改定が決着
医療技術料は微増に
 中央社会保険医療協議会(中医協)は、2月13日、4月からの診療報酬改定内容で合意し、厚生労働大臣に答申しました。
 改定率は昨年12月の決着どおり、本体プラスマイナス0%(薬価等マイナス1%)です。財界や財務省は、前回の2・7%マイナス改定に続いて、大幅マイナス改定を狙い、最終盤には首相自らマイナスを指示しましたが、安全な医療への国民の要求や運動で、マイナス改定は阻止されました。しかし、0%改定の下で、中医協論議でも大きな問題となった看護師等の過密労働の実態には、ごく一部の措置に止まりました。
 今回の改定ではまず、検査などの材料(もの代)に相当する点数が市場実勢価格に基づき、0・4%引き下げられました。それで浮いた280億円を財源に、技術料(人への評価)に相当する部分が、ごく一部ですが、引き上げられました。
 検査や画像診断については、もの代引き下げの影響をもろに受け、軒並み引き下げられました。ただし、管理加算など人に関わる点数は少し上がっています。
 一方、入院等の医療技術料については、小児や精神、在宅等を重点に、一部引き上げられています。
 入院では、入院基本料等の点数は据え置かれましたが、集中的な治療が必要で重症度が高い患者を対象とするハイケアユニット(常時4対1看護)、亜急性期入院医療(2・5対1看護)が新設されました。また、臨床研修病院、有床診療所の入院、離島加算なども新設されました。
 在宅医療では、1日3回以上の訪問看護の評価が新設されました。
 外来初診料については、病院が5点、診療所が4点ですが、引き上げとなっています。
 前回改定の不合理項目については、手術の施設基準や褥瘡対策の未実施などに対しての減算、リハビリの逓減制、他医療機関受診時の点数などが、若干ですが見直されました。
 また、焦点となっていたDPC(診断群分類別包括評価)の民間への拡大については、これまでの調査協力病院に限って、試行として実施になりました。
 日本医労連は、今回改定にむけて、入院日数短縮で超過密労働になっている現場実態等を訴え、「1対1」「1・5対1」看護の新設や、医療事故を防止し、安全な医療を行うための「安全のコスト」評価を重点改善課題として掲げとりくんできました。中医協の論議でも看護師の過密労働がかつてなく論議になりましたが、結果は不十分と言わざるを得ません。
 2年後には、診療報酬体系そのものの抜本見直しも予定されています。運動のいっそうの強化が求められています。