とんでもない!
暮らし、社会保障、平和破壊の 小泉悪政ストップ
痛みはもうゴメン! いのち・暮らしまもるのが政治です!

 小泉政府・自公与党は、今通常国会でさらなる国民いじめの悪政を押し付けようとしています。年金改悪やイラク派兵…。小泉内閣になっての国民負担増は、今年度までで7兆円余。04春闘は、小泉悪政との対決こそがカギです。


4.15スト、参院選で暮らし・医療を守ろう

リストラ・合理化で景気回復?
 政府は、昨年10〜12月期の経済成長率が、年率に換算して7%となり、バブル期以来の高成長率になったとして、小泉「構造改革」をさらにすすめようとしています。果たしてほんとうに「景気回復」しているのでしょうか。
 業績がよいのは、一部の輸出関連の大企業であって、大多数の中小企業は下請けいじめに泣かされ、倒産件数もうなぎのぼり。また大企業自身も大規模なリストラ・「合理化」で、失業者は過去最高水準、家計の消費支出も年々下がり続けています。生活実態として、「景気回復」とは程遠い状態です。
 多くの国民・労働者の犠牲の上に成り立つ、大企業の繁栄でしかありません。
 若者の就職難の一方で、労働者は、際限ない長時間労働、不払い残業や過密労働になっています。小泉「構造改革」の3年間、「痛みに耐えて」きた結果が今の状態です。もうガマンは限界です。



小泉政権7つの大罪

●年金・消費税の大幅負担増
●医療・福祉の商品化
●医療・福祉の規制緩和
●国立病院、賃金職員切り捨て
●地方自治体破壊と病院つぶし
●リストラ推進の大企業支援
●イラク派兵し、戦争国家へ


…その他、数え切れない罪
社会保障改悪で将来不安に拍車
 政府は、少子高齢化社会がすすむなかで、このままでは、年金財政が破綻すると、給付の切り下げと保険料の引き上げを狙っています。さらには、将来の財源としては消費税増税によって基礎年金をまかなうことも言われています。
 しかし、消費税増税は、企業の法人税・社会保険料負担をきらう財界の願望でしかありません。
 消費税が導入された89年以来の15年間で、消費税収は累計136兆円ですが、その間、減税でもたらされた法人税の減収は同じく累計で131兆円にものぼります(下図)。「福祉のため」といいながら、結局は国民が大企業の税負担を肩代わりさせられたのです。
 全労連・医労連は、4月15日を「年金スト」と位置づけ、国民的なたたかいを提起しています。職場・地域から「年金改悪」反対ののろしを上げましょう。



平和憲法壊し戦争する国へ
 自衛隊のイラク派兵に続き、政府は、「有事法制」の総仕上げとして「国民保護法」など関連7法案と3条約改正案を国会に提出しようとしています。「国民保護」と言いながら、実態は、戦争遂行のために「国民の財産」をどう合法的に取り上げるか、というのがその中身です。「国益」の名の下に軍備を増強し、軍事費が増やされれば、国民の命とくらしにかかわる予算が削られていくことになります。「憲法改悪」阻止とともに医療労働者の役割が問われています。


冗談じゃない! こんな年金改悪反対

「老後が不安」急上昇
 「年金をもらえるまで」という言い方が「昭和」の頃ありました。この裏には、がんばって勤め上げれば年金で食べていけるという「暗黙の了解」がありました。
 「老後を考える」と言っても、リタイアする「仕事人間」対策として、「生きがい」とか「趣味」とかをどうするかの話題が中心でした。「経済的な問題」は不安もあるが、まあ何とか生活できるのではないかと考えられていました。
 ところがいつの頃でしょうか、青年のうちから老後の生活設計を考える風潮が生まれたのは。表1を見てください。
 91年に「老後を不安に思う」人は、20代で20数%でした。それが01年には80%を超えてしまいました。
 表2では60歳未満の人が60歳以上の人より老後に対する「不安」が大きく、それも年々増加していることがよくわかります。理由として、「十分な貯蓄がない」ことと「年金や保険が十分でない」ことを挙げる割合が高くなっています。もう少し注意してみると、「年金や保険が十分でない」が上昇しています。



「賃下げ」になる保険料引き上げ
 政府の2004年の年金制度改正関連法案を見ますと、厚生年金保険料(現行・年収の13.58%、労使折半)は、今年10月から毎年0.354%ずつ上げ、17年度に18.30%に固定。国民年金保険料(現行・月1万3300円)も、05年度から280円ずつ上げ、17年度に月額1万6900円に固定するとしています。給付は年金モデル世帯で現役世代の手取り年収の50%確保するという内容です。
 ところで、保険料の決定方法は、毎年4月から6月の3カ月間に支給された賃金を平均し、標準報酬月額表に当てはめて算出します。表3を見てください。現行保険料と改悪保険料の一覧表です。私たちの家計に与える影響は、標準報酬月額が30万円(一時金120万円)の人の場合、現行32万5920円から43万9200円になり、年間11万3200円もの負担増となります。これでは、わずかばかりの賃上げでは、とてもではありませんが生活維持さえままならない状況です。



はかなく消える「老後の夢」

 では、給付はどうなるのでしょうか?まず、現行の給付がどうなっているのか見てみます。厚生労働省のモデル年金では夫婦2人で月23.8万円となっています。これは、40年間にわたって平均的な賃金(手取り年収月額換算額40.1万円)をもらってきて初めて到達する給付額です。
 リストラ、倒産などが当たり前の時代に、こうした人は多いとはいえません。表4を見てください。政府の統計によっても厚生年金の老齢年金受給者の平均給付額は17.6万円にすぎません。6.3万円もの開きがあります。最近定年退職した方も「思ったよりも給付額が少ない」と嘆いていました。
 さて、改悪案では、給付額を手取り年収の50%にするとしています。これをモデル年金受給者に当てはめれば、給付額は20万円そこそこになってしまいます。年金の平均給付額で試算すると、15万円程度になってしまいます。東京都(23区内)の生活保護基準は「生活扶助」と「住宅扶助」だけで14万9490円となっています。つまり、改悪年金給付額では最低限の生活もできない水準となってしまいます。
 そうすると、自分はいくら年金をもらえるのだろうかと心配になります。年金給付額の計算は表5のように行いますが、これがまたややこしい計算です。もし、インターネットが使える人は、社会保険庁のホームページを見て下さい。「年金見込額試算」をクリックし、必要事項を入力すると、およその給付額が示されます。表6は、「年金見込額試算」で計算した結果です。改悪によって、今でさえ少ない給付額が大幅に下回ってしまいます。
 老後は、遊びに来る孫にお小遣いをあげて、季節の旅行を楽しみながら過ごそうと考えているあなたのささやかな夢も奪われてしまいます。小泉「構造改革」は、現在から未来にわたって弱い者をいじめるシステムをつくりあげようとしているのです。




こうすれば大丈夫! 安心できる年金制度に

雇用を増やして財源確保
 いま年金制度は、保険料未納者・未加入者が急増し構造破綻が起きるとさかんに宣伝されています。
 しかし、その原因は、企業の人減らしリストラを野放しにしたうえ、雇用流動化で、臨時・パートや派遣労働者に置き換えられ、その結果、厚生年金の加入者である正規職員が減らされたことにあります。
 厚生年金の加入者(第2号被保険者・サラリーマン)でなくなった人は国民年金の加入者(第1号被保険者)となるはずですが、ここで問題は、高すぎる保険料です。
 そのために加入しない人や、加入しても保険料を滞納する人が急増しています。政府は、こうした「払いたくても払えない」状況は無視し、滞納者への取り立てを厳しくするとともに、財源確保のために、厚生年金の保険料値上げやパート労働者からも徴収することを企んでいるわけです。
 これでは付け焼き刃であって何の解決にもならないことは火を見るより明らかです。
 保険料の引き下げと雇用の確保を行い、加入者を増やして、この構造破綻を解消することが必要です。

巨額の積立金を給付にまわす

 政府は、保険料の値上げの理由に財政破綻を挙げていますが、巨額の積立金は留保したままです。
 むしろこの積立金を株式運用に使い、6兆円もの損失を出しています。この積立金は制度の安定を図るために必要とされていますが、諸外国に比べ、積立度合いが極端に大きいのが日本の現状で、現在厚生年金だけでも175兆円を超す積立金を有しています。
 この額は積立割合(収入が一切無くなった時でも支払が続けられる年数)は、約5年分(スウェーデン4年、アメリカ・カナダ2年、イギリス2カ月、ドイツ・フランス1カ月)にもなります。
 その積立金を「財政投融資」として、公団、公庫、諸基金、さらにはODA、関空や中部空港など、公共的民間企業にまで投融資しており、その多くは官僚の天下り先になっています。
 また、それらの機関が行う無駄な公共事業は、大型ゼネコンや大企業の儲けに使われ、それに群がる政治家への賄賂につながっています。このような金権腐敗や株式運用は直ちに止めさせ、年金積立金を計画的に取り崩し、給付に使えば約35年間にわたり年間5兆円の財源が確保できます。
 そもそも年金とは、「社会」保険と言われるように、生命保険のような保険ではなく、社会保障の側面を有しています。すなわち国庫負担と企業負担が必要不可欠であり、現在の年金制度においても、個人の保険料と合わせて社会的扶養は行われていますが、諸外国と比べて、その割合は余りにも貧弱です。これは政府も認める事実であり、その結果、1994年の年金改定の時に、付帯決議として「国庫負担割合を3分の1から2分の1に増額する」ことが決められています。この約束を実行すれば10兆5千億円の財源が確保されます。

全額国庫負担の最低保障年金制度の創設を
 誰もが安心した老後を迎えるためには、掛け金制度の「保険」ではなく、社会保障として全額国庫負担による最低保障年金制度を作るべきです。
 全労連では、「年金制度の体系は、基礎年金と報酬年金の2階建て方式を基本とし、2004年度までに国庫負担を2分の1へ引き上げ、2009年には全額税方式へ転換する」ことを提唱しています。
 この全額国庫負担(税金方式)へと切り替える意見は、連合や財界でも主張しており、多数派の意見と言えますが、その財源確保の点では大きな違いがあります。
 財界は「全て消費税」、連合は「一部消費税」を主張し、そのためには消費税の増税もあり得るとしています。一方、全労連の試算では、消費税に頼らずとも「一般財源」でまかなえることが証明されています。最低保障年金の年金額を生活保護基準に合わせて7万円とし、必要な財源は、現在老齢年金を支給されている人数をもとに計算すると年間約21兆円となります。
 国庫負担を2分の1に引き上げることで10兆5千億円、積立金の取り崩しで5兆円を確保し、残り5兆5千億円は、最低保障年金部分の保険料を支払わなくてすむはずの使用者負担分を「年金拠出金」として残します。それが5兆2千億円となり、これで消費税を上げなくとも財源は確保できるのです。
 このほか軍事費やムダな公共事業の削減、大企業優遇の税制是正など、税金の使い道を社会保障に回させることと併せて、雇用を確保することで安定した年金制度は確立できます。
 日本医労連は、04春闘の重点課題に年金改悪の阻止を掲げ、すべての組合員がしっかりと学習し、地域住民との共同を広げてたたいます。

いまなぜ年金改悪か

 政府は、1985年の年金改定のとき、20年間の期間を設定し、年金額の35%切り下げ、保険料の3倍化、年金支給開始年齢の引き伸ばしなどを決めました。2004年は、ちょうど20年目にあたります。そこで20年目にあたる今回の「年金大改悪」は、何度も手直しをしなくてもよい「恒久的な改正」をするというものです。
 その方法の1つは、20年から40年かけて徹底した「支出抑制」をはかり、年金額を切り下げ、年金の国家予算を減らすこと。2つ目は、総額人件費抑制のために、大企業の負担を減らすことです。
 政府は、21世紀の高齢化に向けて、出生率は毎年最低を更新し続け、2001年には1.33となり、この数十年間の高齢化人口の高まりを理由に、「このままでは社会保障は破綻する、年金財政はパンクする」などと、少子化・高齢化を「年金大改悪」の口実にしています。そして、「労働者・国民の負担の拡大、給付の縮小は避けられない」「老後の暮らしは、各人の責任で守れ」「学生も高齢者も専業主婦も保険料を納めるべき」などの攻撃を強めています。
 「高齢者は金持ち、若い人が損をしている」「女子労働者と専業主婦に不公平感がある」「男女間の年金に格差がある」などと「不公平感」をあおり、労働者・国民の怒りをそらしながら、年金改悪を推し進めようとしています。

年金って何?

 人の一生は誰でも、病気や事故と隣り合わせです。あわないことが最善ですが、あってしまえば、働けなくなり収入が減ったりします。年をとることも働けなくなる理由の一つです。運が良くて年をとらずにすむことは不可能です。個人差はあっても、加齢で働けなくなった際に、生活を収入面から支えるのが年金制度です。「年金」と名のつくものは多々ありますが、一番基本になるのが「公的年金」です。20歳以上のすべての人が原則加入し、運営は国の責任、財源は労働者・雇用主からの保険料と税金が充てられています。公的年金制度は、憲法25条に基づく、誰にでも最低限の生活を保障する社会保障制度の一つです。そのことから、年金制度の改悪が企てられるときには、「基本的人権を守る」闘いとして位置づけられてきました。
 日本の公的年金制度には、社会保険方式・世代間扶養という2つの大きな特徴があります。社会保険とは、強制保険で各人が保険料を払い、それに応じて給付を受けるというものです。ですから、基本的には保険料を納めなければ給付は受けられず、納めた期間が長ければ、支給される金額も多くなるしくみです。また世代間扶養とは、公的年金は民間年金や貯蓄などと異なり、自分の納めた保険料に利子がついて自分に戻るというものではなく、現役世代の負担で高齢者世代を支えるしくみです。
 これらの特徴は終身雇用が確保され、経済が安定していることが前提です。「構造改革」で、現役世代から仕事・収入を奪い、子どもを生み育てることすら困難に追い込んだ結果、制度の危機を招いたのは、政府自身なのです。