3.18全国統一行動
全国7万人の組合員が決起

低額回答に抗議し、年金改悪反対で

 春闘回答指定日の翌3月18日、日本医労連は「不当な切り下げ、低額回答に抗議し」「年金改悪反対、医療機関統廃合反対、医療と雇用守る諸要求」を掲げ、全国統一行動を実施しました。健保労組・全日赤でストを含む行動に、全医労・全労災・公共労・国共病組が職場集会、また25県医労連70単組が30分から半日のストライキを構え、全国で約7万人の組合員が多様な行動に立ち上がりました。

 3月22日現在、日本医労連加盟組織127組合が回答を引き出し、ベア+定昇+手当込みの単純平均で5314円(2・12%)、同一組合昨年実績比でマイナス299円(同0・13%)となっています。
 この内容は、基本的には「定期昇給」の実施であり、6〜7年前の水準に落ち込んだ年収の回復や、生活改善とは程遠いものです。
 経営者の「凍結」「削減」の思惑を跳ね返し、昨年を上回る回答数に達したことは、産業別統一闘争の結果として確信にすべきです。
 しかし春闘全体の流れは「年収確保」であり、このままでは他産業との格差はますます拡大するばかりです。負担増が次々とのしかかる中、切実な生活実態の改善のためには、なんとしてもベースアップの獲得は絶対に必要です。そのことが「社会的役割にふさわしい賃金水準」をめざすたたかいの第1歩になることを忘れてはなりません。

健保労組・29支部で決起
 健保労組の各支部では、「社会保険病院の統廃合。5%の賃金カット。4月から定期昇給を行なわない」問題の撤回を求め、2時間のストライキや決起集会を全国29支部で実施。大宮支部には埼玉県労連より60人のバス応援が入り、大村副委員長が連帯のあいさつを行いました。蒲田支部では全労連・岩田事務局次長があいさつし、日本医労連桂木書記次長が社会保険病院の統廃合問題と成果主義賃金の問題点を述べました。

山形・昨年実績以上が流れとなる
 山形では、自主決着7組合が一斉に団体交渉を行い、山形医労組で昨年実績+200円、篠田労組でベア、小白川・本間労組で昨年妥結額の回答を引き出すなど、「昨年実績以上」が流れとなる回答となりました。これは1万円以上の統一要求を掲げ、半日以上のストを配置し、県医労連・単組一体となり事前要請を強めた結果です。今後、29日の週に一次回答を土台に「要求前進・ベア実施」めざして交渉を配置します。
 群馬・健保 ・地労委救 済申立
 群馬では、この間の労働者いじめに抗議し、健保群馬中央支部で18日始業時から2時間のストを決行。管理側は、全職員向けにあからさまな介入文書を配布するなど不当労働行為を働きました。院長は16日、そのことに抗議する組合には「(不当労働行為は)あなたの判断であり、私たちはそう思っていない」と発言。組合は全国の仲間に抗議を要請し、スト集会の中で披露、多くの仲間との連帯を噛みしめ、地労委に救済申し立てを行ないました。

長野・介護職のベース引き上げる
 長野では、中信民医労が最も賃金が低い介護職のベースを100円引き上げ、賃金底上げをはかる貴重な成果を勝ちとりました。その他は定期昇給のみの回答に止まり、長野医生協労組では職能給検討が示される状況の中、18日には、民医労6組合、全日赤長野で30分〜1時間のストが実施され、長野医生協労組で150名、全日赤長野では200名以上が、ストで春闘勝利への決意を固めました。

東京・厚生荘でベア回答
 健友会労組の団交では、寮問題での一定の改善に止まり、賃金では定昇のみの回答でした。組合は、翌日のストを40名の指名ストへ縮小し、玄関前での集会の後、中野駅前で増員・年金の宣伝行動、また地域の老人クラブ会長などを訪問しました。多摩の厚生荘労組では、40名規模の集会。回答は数年ぶりのベア回答がでたものの、一律ではなく、若手に重点配分をと組合は主張。地域間格差でも5年も経つと逆転する賃金体系是正が課題、と吉田委員長が訴えました。

岐阜・勤医労がスト決行
 岐阜では、岐阜勤医労で「定期昇給実施、年収確保の予算化、みどり福祉会パート定昇一部実現、割増し賃金の計算式是正と未払いの遡り支給」などの回答を引き出しました。04春闘回答は、定昇・年収の確保など前進面も見られたものの、ベア要求及び夏季一時金の2・1ヶ月要求、賃金の底上げ要求に対する2次回答はないとして、翌日のスト決行を決めました。労働条件に対する回答では、理事会側は専務のみの参加ということもあり、具体的な回答は控え、次回の団体交渉で行うことになりました。