神奈川・杏雲堂平塚病院
一日も早い病院機能の再開を

国・自治体動かし 市民運動で存続へ

 運営主体である財団法人佐々木研究所が、昨年4月杏雲堂平塚病院の閉院を表明して以降、労組・支援する会を中心に、5万人の存続署名や、350人が参加した市民の集い・パレードなど、予想を超える市民の病院存続への支援が広がる中、平塚市は存続請願を市議会全会一致で採択し、存続へ全力をあげることを表明しました。

雇用の継続含む経営譲渡方針決定
 国・自治体への要請行動を含む運動の中、財団理事会は3月、経営譲渡の方針を決定し、病院存続へ踏み出しました。病院新設に対し「地域の病床数過剰」を指摘する県も、昨年12月には住民の強い存続要望をうけ、「譲渡先が決まれば検討する」と態度表明しており、支援する会と当該労働組合は「今後とも市民の皆さんによる一層のご支援を」と呼びかけています。
 財団は先に4月以降の病院職員の処遇について、「半年間、財団の責任で雇用を保障」することを労組と確認しており、先月の団体交渉では、「平塚病院を職員を合わせて譲渡する」と発表。これを受け労働組合は「(まだ経営譲渡の交渉中で)予断は許されないが、病院存続の要求が受け入れられた」と伝えました。

市民200人に見守られ報告集会
 4月1日の報告集会には、平塚病院の前庭に200人を超す市民が集まりました。「支援する会」の瀬谷代表が「ここにいる皆さんあって病院がある。本当に素晴らしい従業員を残してくれて感謝している」と挨拶し、続いて地元袖が浜自治会の田中会長が「この地域に病院があることで安心して生活できる。絶対に残して欲しい」と訴えました。
 また、共産党はたの参議院議員、公明党・共産党市議会議員の激励挨拶に続き、「支援する会」の竹山事務局長は、「今日現在、病院の医療活動は外来の健康相談のみで休止状態にあるが、市民の皆さんの命と健康を守る視点で、ここにいる職員が病院存続のために残って頑張ってきた。まだ行政の許可の問題含め、解決が必要な点は少なくない。医療関係者全体の問題として地元医師会含め、一日も早く病院機能を再開させていく責任があり、今後とも全力をつくす」と訴えました。
 続いて、地元・平塚労連の小野議長は「職員は自らの事は二の次でも、いざと言う時には、患者さんを最優先に考える。その姿勢が住民に伝わっている」と述べました。
 また、県医労連・土谷委員長は「まだ全面解決ではないが、公的病院はじめ、地域医療の縮小・再編成が進められる中、病院存続の世論を背景に、ここまでがんばったことは、地域住民や、医療に働く仲間を大きく励ます」と挨拶しました。
 最後に満開の桜の下、平塚病院の患者さんから、開院への決意を語る村上委員長へ花束が贈られ、地元の患者さん・地域の方々が相次いでマイクを握り、病院に残った40人の職員に、激励の言葉をおくりました。