'04春闘
力の集中で前進を−生活と医療を守ろう

世間相場はプラス
 連合大手は定昇・賃金カーブ維持、一時金満額回答となりました。世間相場全体は、昨年を若干上回る状況で推移しています。夏季一時金も、前年増となる模様です。
 全労連・春闘共闘は、「厳しかった昨年とは一変した状況で推移している」「一部に賃下げ提案もあるなど、前年同期と同様の特徴もあわせ持っている」と分析しています。
厳しい医療春闘
 しかし、医療産別の現状は、昨年実績をも下回る厳しい状況となっています。
 4月15日現在、195組合の回答は、5449円、2・11%(単純平均)であり、同一組合対比では、269円、0・11ポイントのマイナス(昨年実績比)です。
2割に賃下げ回答

 初回回答では、2割の組合が、定昇凍結・カットなど、定昇相当額を下回る賃下げ回答となっています。
 この間の交渉で、南埼玉病院労組、大分健生労組など6組合が、定昇を回復しました。しかし、依然として34組合が賃下げを克服できていません。
 各組合は、定昇未実施が、協約・就業規則違反である点を徹底して明らかにし、奮闘しています。
重点組合を決定
 日本医労連は4月の中央執行委員会で、健保労組、函館中央病院労組、宮城厚生協会労組、松江保健生協労組など10組合を「重点組合」に指定しました。
 単組任せとせず、日本医労連・県医労連が一体となって援助を強化し、賃下げを許さないたたかいを強化する趣旨です。
 昨年も第1次回答では、最終的に3割近くが賃下げ回答でした。しかし、重点組合を中心としたたたかいで、ほぼ定昇を回復して終結できました。いま、産別の真価が問われています。
ベアは14組合
 一方、ベアを引き出したのは、現在14組合です。
 愛知・堀尾安城病院労組はベア3666円、埼玉民医労はベア上積みを勝ち取っています。山形・二本松会労組、宮崎・井上病院労組が、第2次回答でベアを引き出しました。
 いま職場はかつてない過密労働となっています。こうした下で、少なくない組合が執念を持って、ベア獲得をめざしています。
体系改悪許さない
 今春闘の回答の特に大きな特徴は、将来不安・展望喪失状況を一層強め、人件費削減に打開を見出そうとしていることです。
 そのため、一時金のいっそうの切り下げ回答とともに、賃金体系や退職金制度そのものの改悪への意思表示が相次いでいます。
 定昇即時実施・一時金含めた年収確保が、まず必要です。同時に、他産業に比べても低い賃金実態や、成果主義賃金が医療の安全を疎外するものであることを徹底して宣伝し、生活と医療を守るたたかいを総合的に前進させることが求められています。
 また、医療の安全を実現し、年金・医療改悪許さない、主体的たたかいのいっそうの強化が必要です。