福祉部会政府交渉
介護者の「医療行為」違法だが対策なし

 日本医労連福祉部会は、5月27日、介護・福祉分野に関わる要求で、厚生労働省交渉を行いました。
 医労連から、福祉部会運営委員を始め、各福祉施設労組の組合員ら14名が参加しました。

介護者の医療行為認めるも対策なし
 医労連や看護協会などの調べで介護者の医療行為が7割以上あることを指摘し、そのことについて質したところ、老健局介護保険課は、「無資格者の医療行為は犯罪、やってはいけない」「必要なら訪問看護を選択すればいい」というのみで、交渉団が「利用料が高くて、訪問介護を選択せざるを得ないのが実態ではないか」「その実態を踏まえて、指導するなり、通知を出して根絶を図るのか」との追及には、何も答えることができませんでした。

サービス残業一つひとつ申告を
 現場で常に問題となっている「時間外不払い労働(サービス残業)」について、労基局は、「直接、実態を聞くことでこちらもよく分かる。いまは重点分野を設けるのではなく、一つひとつ違反をつぶしていく段階。労基署へ申告してほしい」と答えました。
 交渉団は、有休や休憩時間すら取れない労働実態を指摘し、直接処遇職員の人員配置引き上げ、予算の増額などを求めました。

「医療行為」問題考えるシンポも
 また5月30日には、「ホームへルパーの医療行為問題を考えるシンポジウム」が、東京医労連や福祉保育労などの実行委員会形式で開催されました。ヘルパーやケアマネなどの現場労働者、労組役員など131名が参加。進行役にケースワーカーの末永睦子さん、シンポジストには、ケアマネの大澤千恵子さん、東京法律事務所の小部正治弁護士、介護福祉士の櫻井和代さんの3名が、問題提起を行い、フロアーからの質問や実態報告がなされました。
 フロアーからの発言も事業所や利用者からの依頼を断りきれない現状が出されました。もし事故が起きた場合、法的責任を問われることも指摘されました。改善には、往診や訪問看護などとの連携をどうすすめるのか、違法状態を放置している行政責任の追及とヘルパーの側からの対案の必要性などが強調されました。