【福岡民医労】
退勤調査から改善運動

【親仁会】  米の山病院
サービス残業約8割

 福岡民医労・親仁会労働組合は、米の山病院(219床)で、3月25日に看護職場を対象に、退勤調査と職場巡視を行ないました。
 調査に先立って、当日、更衣室前で早朝宣伝をおこないましたが、「調査って何をすると〜」と、職員の反応は上々でした。
 調査は、16時40分から19時40分の間、更衣室の前に執行委員10名が待機し、残業時間の把握、残業申請の有無、職場の状況などを中心に、聞き取り票に沿って行いました。19時40分以降は、病棟を巡回し、職員の「生の声」を聞きながら、長時間残業・サービス残業の実態把握と、残業申請の指導も行いました。
 定時退勤者は15名、超勤者のうち残業申請をした職員11名、していない職員37名、19時40分時点で日勤者7名が病棟で残業をしていました。また、日勤・深夜の職員が、2時間近くも残業をして帰ったり、60分〜100分の範囲でも多くの職員が残業を申請していない実態が明らかになりました。聞き取りでは、「17〜18時に帰れるなんて早いほう、残業なんてつけられない。」「医療事故が心配、どうか人員を増やして、自分自身も健康に働きたい」「休憩時間もとれない、体調不良時にもやすめない」と訴える職員が続出で、対応する執行委員も正直、驚きを隠せないといった状況でした。
 親仁会労組は、今後も退勤調査・夜勤調査等をおこない、「職場の権利ノート」を使いながら、実態から出発していく「改善運動」をすすめていきたいと思っています。

【健和会】  大手町病院
5要求まとめ改善へ

 健和会大手町病院は、病床数642床、職員数800名(常勤710名、非常勤90名)。福岡県の災害拠点病院・救急告示病院として、急性期医療を担うとともに、慢性疾患管理やデイケア、地域健診活動など幅広い総合的な医療活動を展開しています。
 04春闘の団体交渉では、「年休・生休がとれない」「在院日数17日の高速回転で、長時間・過密労働になり、身体はクタクタで毎日疲れがとれない」「ギリギリの人員で、病気になっても仕事にでている」などの現状が訴えられました。
 職場の働くルールの確立は緊急課題と、まず「退勤調査」をおこないました。

退勤調査では……
 退勤調査は、4月26日、18時〜21時の間、更衣室の前に、支部役員・本部専従6名が待機してとりくみました。64名が調査対象となりましたが、18時台が21名、19時台が23名、20時台が20名でした。
 遅くなった理由は、通常業務50名、会議2名、学習会12名で、その内、残業申告者は15名でした。残業申告は通常勤務者の1/3にもならず、「しない・できない」実態が明らかになりました。また聞き取り調査では、快く応えてくれ、普段、聞かれない率直な「声」も聞くことができました。
 組合として取り組むべき課題がたくさんあることも実感させられました。

さっそく改善要求に
 調査の結果から、「職場改善要求」を整理しました。
(1)残業指示の徹底(職場責任者が終業時の残務の確認と残業指示を徹底すること)、(2)残業業務の明確化(時間外手当支給対象業務を明確にー日常業務・諸会議・新人教育・患者カンファレンス・看護計画立案等)、(3)時間外手当申告の権利は10年選手も卒一も平等に、(4)定時以降に働いた時間はすべて残業(残業申告時間はタイムカード打刻までの時間の徹底を)、(5)36協定の徹底、の5点です。

調査後の取り組みは
 まず、実態を管理部に知らせ、師長会議では、組合の資料をもとに討議がおこなわれました。
 組合は、「改善要求書」を提出し、管理部に改善課題の明確化をせまるとともに、毎月の師長室との懇談会で、現場レベルでの改善の取り組みを強めています。
 今後も、引き続き退勤調査をおこない、改善状況の確認や、実態の調査に取り組んでいく予定です。