福祉労働者実態調査
7割で健康不安 8割が医療行為

 日本医労連福祉部会では、昨秋より「福祉労働者実態調査」に取り組みました。
 03年秋の1カ月の実態を医労連に加盟する単組のうち、福祉関連施設に働く労働者を対象にしました。集まった777名分のうち、雇用形態で、96%を占める常勤労働者を抽出し、分析しました。回答者の男女構成は、男性155名(21・1%)、女性579名(78・9%)、平均年齢は、35・0歳で、職種の内訳は38・1%が介護福祉士、看護師17・4%、ヘルパー9・6%、保育士6・2%、准看護師4・6%などとなっています。

4人に3人が人員不足を訴え
 職員数の状況では、足りているとするのが22・7%のみで、残りの4分の3(あまり足りていない59・4%、まったく足りない17・9%)が人員不足を訴えています。特に看護師・准看護師でまったく…19・1%、あまり…65・8%、介護福祉士でまったく…21・5%、あまり…63・0%など、資格者の方が、特に職員が足りていないとする傾向があり、人員配置の引き上げが求められます。

7割が健康不安
 健康状態では、かなり不安13・5%、やや不安56・3%を加えて、69・8%、約7割の人が健康不安を抱えています。看護職の健康不安の方が高い傾向にありますが、看護職の回答者の平均年齢が高いことが影響しているようです。

4人に3人辞めたい
 辞めたいかという設問では、いつも思う17・3%、時々思う56・3%で、ほぼ4分の3の人が、辞めたいと考えたことがあります。原因としては、2つまでの複数回答で、忙しすぎる21・6%、賃金が安い13・8%、健康上10・4%、人間関係8・0%となっています。また看護職では、辞めたいという回答が8割を超え、全体よりも8ポイントほど高く、理由としてやりがいがない9・6%と、看護の仕事ができにくいと感じているようです。一方看護職以外の辞めたい理由では、賃金が安いことのポイントが上がっています。

日常的に医療行為
 なお資格者以外の医療行為では、約8割が医療行為を行っており、34%では日常行為となっています。主なもの3つまでの回答で、多いものから服薬、軟膏・湿布塗布、点眼、痰の吸引、座薬の挿入、などと続きますが、「ほとんどすべてをやっている」という回答や3つ以上、7〜8つ記入するものもあり、かなり広範に医療行為が行われていることが分かりました。
 ただちに対策を講ずべき重大な問題です。