【新潟】特養ホームこぐち苑 8月11日、組合結成
地域の期待に応える施設めざす

 社会福祉法人にいつ福祉会が運営する「特別養護老人ホームこぐち苑」(新潟県新津市・五泉市等2市4町の補助金で運営)に、8月11日「労働組合・こぐち苑」が結成されました。施設は今年4月に開設、特養のほかショートステイ・デイサービス・居宅支援事業・高齢者生活支援ハウスが併設され、職員数は約90名。そのうち、臨時・パート職員が3分の2以上となっています。

 緑に囲まれた静かな環境の中にある「特別養護老人ホームこぐち苑」は、最新のユニットケアを採用。地域交流スペースもあり、地域の期待の大きい施設としてオープンしました。
 開設前から、施設の立ち上げ準備にかかわってきた職員は、地域の期待の大きさを自覚し、より良い施設づくりのため懸命に努力してきました。しかし、4月オープンとともに新たに着任した施設長や事務長には、社会福祉法人の理念や制度について理解が不十分なところがあり、職員の間から、「運営会議が、地域住民や利用者の期待に十分こたえる内容になっていない」などの声が出されていました。さらに「職員人事で、相談員や現場のリーダーに相談なく、一方的に行われる」「利用者に必要な物品などが購入されない」「配置人員が少ないため代休等が取れない」「超過勤務に対する超勤手当が支給されない」などの不満も出るようになり、施設長や事務長に改善の話し合いを申し入れましたが、対応が不十分でした。
 こうしたことから、職員有志は新潟県医労連に連絡し、「法人・施設長と団体交渉できる権限をもつ労働組合を結成して、改善にとりくみたい」との相談を行いました。県医労連では日本医労連に支援を要請し、7月上旬から3回の組合結成準備会を開いて、短期間で学習と組合結成準備をすすめ、お盆休み直前の8月11日夜に、新津市内で結成大会を開きました。
 結成大会には、県医労連加盟の組合代表が激励にかけつけ、日本医労連・桂木書記次長、県医労連・塩谷委員長、新潟県厚生連労組・佐藤委員長などがあいさつを行いました。大会では、組合結成に至る経過を報告し、組合規約、予算、要求、活動方針、役員を決定し、組合結成宣言を採択しました。最後に、初代執行委員長に選出された斉藤節子さん(看護師)が、はじめて「団結がんばろう」を三唱し、参加者一同で、組合員の団結強化と「こぐち苑」の発展にむけ奮闘する決意を固めました。
 翌12日、労働組合4役と日本医労連・県医労連代表は、施設長・事務長に組合結成通告を行い、要求書と団体交渉申し入れ書を手渡し、その後、新津市、五泉市、地方労働委員会などに組合結成のあいさつを行い、職員の過半数を超え組合活動をスタートさせました。
 介護分野は、様々な問題を抱えており、その一角に労働組合が結成された意義は大きいものです。斉藤委員長は、「施設の民主的運営、利用者と家族が安心して過ごせる施設づくり、臨時・パート職員も含めた雇用と労働条件の確保をめざして頑張りたい」と決意を語っています。

〈激励先〉
「労働組合・こぐち苑」
住所:新潟県新津市大字小口443番地