10月12日〜22日 全国一斉退勤時間調査
調査から改善へ運動拡げよう

不払い残業 看護職8割、技術・事務職6割

 04秋年末闘争では、医療現場の超過密労働と医療労働者の健康・生活破壊に歯止めをかけ、労基法違反一掃、働くルールの確立を最重点課題の一つに位置づけています。不払い時間外労働の根絶と、違法な宿日直の改善をめざして、10月12〜22日を集中ゾーンとして「全国一斉退勤時間調査」に取り組みます。実態を集約し、経営者に改善をせまると同時に、国や自治体、労基局交渉にも活用します。

職場は超過密労働
 「高速回転状態」「医療事故準備状態」「過労死予備軍」という言葉に象徴されるように、医療の現場は、かつてなく超過密労働になっています。「経営の安定のためなら何を行ってもよい」とばかりに、経営者は、労使協定を一方的に破棄したり、委託・派遣の導入を強行したりと、さらにこの状況に拍車をかけています。

不払い残業に歯止め
 不払い残業を是正するため、看護闘争委員会では、全医労の経験に学びながら「退勤調査(虎の巻)」リーフを作成し、全国に調査を呼びかけました。
 石川民医労を皮切りに、国共病組、福岡民医労、さらに県医労連でゾーンを設定し一斉「退勤調査」を行った京都、大阪など、次々と運動が広がってきています。

看護・介護職8割
技術・事務職6割

 「不払い残業が、看護・介護職8割、技術・事務職6割」(石川民医労)、「残業申告は1/3にもならず、『しない・できない』実態が明らかに」(福岡民医労)、「看護記録や会議、係りの仕事は超勤対象ではない」(大阪)などの実態が明らかになっています。

調査から改善へ
 「退勤調査」の運動は、経営者に残業代を正当に支払わせるだけの運動ではありません。
 準夜タクシー代の上限を5000円から1万円に引き上げた(全日赤大阪)、所定勤務時間を越えた場合は25%の割増し(石川民医労やすらぎ)などの改善につながっています。全医労関信地方協では、「私の超勤手帳」をポケットサイズで作成し、白衣のポケットにいれ、正確に記録を残す運動も同時に取り組んでいます。
 調査を行ったところでは、組合員との直接対話の中から、「職場の生々しい実態が明らかになったし、組合員との絆が深まった。組合員の拡大につながった」などの副産物が生まれています。
 「組合の姿が見える」運動として、実施した組織は、1回に終わらせず、継続していく決意が共通しています。

産別で全国一斉に
 日本医労連は、秋年末闘争の働くルール確立の最重点課題として、10月12〜22日をゾーンに「全国一斉退勤時間調査」に取り組むことを提起しました。
 調査結果を集約し、経営者に改善をせまるとともに、国や自治体交渉、労基局交渉などにも活用していきます。

権利は行使して守る
 「退勤時間調査」の取り組みは、不払い時間外労働の改善を経営者にせまるものですが、増員、労基法違反一掃の運動の重要な一翼でもあります。「自分たちの権利は行使しながら守る」思想を職場に根づかせ、違法な宿日直の改善などにもつなげていきます。すべての組合で取り組みが行えるよう意思統一と準備を今から進めていきましょう。