日本医労連書記長が語る 秋闘のポイント
憲法、いのち、社会保障守る国民戦線を

 04秋年末闘争は、産別の重点課題のすべてに、職場のたたかいを徹底し、地域からの運動をつみあげ、中央行動に結集するという立場を貫いて、すでに出足早く展開されています。中央委員会議案の重点課題の特徴について要約して紹介するとともに、緊迫する情勢に対応して統一して力を集中すべき課題と行動を提起します。

安全・安心の医療確立
 第1には、「安全・安心の医療確立、医療事故防止」をかかげました。この間の運動で第三者機関の設置など一定の到達点をかちとっていますが、職場は依然として過酷な労働実態です。最近も重大なミスが相次いで報告されています。
 安全・安心の医療確立の課題は、医療・社会保障闘争をはじめとする医療産別の中心課題であり、職場闘争と制度闘争の両面から全力をあげます。

国民の健康権守る
 第2は、「医療、介護、社会保障拡充」の課題です。改悪年金法実施中止の、緊急署名の目標達成をはかるとともに、抜本改善の要求に反して、利用者負担増をねらう介護保険問題についても、問題点を国民に広くしらせることを重視します。
 診療報酬制度の改善を求める運動も、継続・強化し、小泉「医療・社会保障構造改革」に反対し、国民の健康権を守る戦線の拡大を追求します。

公的医療守る共同戦線づくりを
 第3は、「国公立・公的医療機関の医療と雇用、組織を守るたたかい」の強化です。全医労の代表28人が提訴した、「全医労不利益是正裁判」の支援を強化し、国家的不当労働行為の中止と、正常な労使関係確立を追求します。
 そして、労災・社会保険・厚生年金・自治体病院などの統廃合「合理化」と対決し、「公的医療」を守る共同の拡大と戦線の構築に、産別全体でとりくみます。

賃金体系の改悪阻止、不払時間外労働を一掃
 第4は、「医療労働者の生活と働く権利を守る」課題です。公務員の本俸3年、一時金6年連続のきりさげ阻止に確信をもち、大幅一時金獲得、体系改悪、賃下げ阻止、職能給・成果主義賃金の導入阻止の、産別あげた闘いを展開します。
 働くルール確立の最重点を「不払い時間外労働一掃」とし、10月12〜22日の全国一斉「退勤時間調査」を成功させます。
 下請け・業務委託、派遣の導入・拡大反対のたたかいも強化します。

安全でゆき届いた看護の実現を
 第5は、「医療事故をなくし、安全でゆき届いた看護を実現する大運動」の集中した実践です。200万人以上看護体制にこたえる、新需給見通しの策定、看護職員配置基準の大幅改善・診療報酬のうらづけ、夜勤協定の締結・改善、職場総点検活動の徹底・医療事故防止のとりくみを職場、地域、中央で展開します。
 各県一校の養成所開設、希望者全員の受講保障など制度問題にもひきつづき全力をあげます。

憲法改悪阻止、平和・民主主義守れ
 第6は、「憲法改悪阻止、平和と民主主義の擁護、政治革新」の課題です。労働組合運動の存在と活動の前提である憲法をまもり生かすとりくみを職場・地域・中央で創意的に展開します。
 また、自衛隊のイラクからの撤退、有事法制発動阻止、被爆60年にむけた核兵器廃絶の運動も強化します。

組織強化・拡大に集中
 第7は、「3ヵ年計画の最終年度にふさわしい組織強化・拡大の推進」です。2年連続の2000人をこす、組織減を早期に回復するため、全加盟組織が具体的な目標をもって、集中した組織拡大を追求します。とりわけ国公立・公的医療機関の統廃合への対応、非正規雇用労働者対策、未組織・未加盟対策を強化します。
 争議支援、共済の推進、組織強化対策にも力をそそぎます。