普天間基地米軍ヘリ墜落 【沖縄】
高まる抗議の声、一万人県民集会へ

あわや大惨事に
 8月13日、これまで再三に渡り危険性を指摘されてきた、宜野湾市の普天間基地。その基地所属のヘリコプターが、民間地上空を飛行中尾翼部品が落下、同市内の沖縄国際大学校舎に激突し、墜落炎上しました。
 大学は夏休みで死傷者はなかったものの、「一歩間違えれば大惨事」となった事は見落とせません。同大学には、72年にも米偵察機の燃料タンクが落下、校舎に激突しています。
 また、今回の墜落でも民間の住宅に多くの被害が及び、墜落したヘリの破片が車やバイク、また民家の窓や玄関ドアに被害を与えました。付近の公園では夏休み中で遊ぶ大勢の子ども達や、道路を挟んだ保育園では多くの園児が生活しており、事故当時の騒然とした雰囲気でパニックを起こす子もいたようです。

高まる県民の非難
 今回の米軍ヘリ墜落は起こるべくして起きた事故です。沖縄の米軍基地、特に普天間基地は市街地の中心に位置し、県民は小さな島で基地周囲を取り囲むようにしか暮らす土地がなく、常に米軍機の墜落の危険に脅かされ生活しています。
 米軍ヘリ墜落事件が発生し、県民からは「知事は先頭で抗議行動を行なうべき」「米軍の沖縄占領は今も続き、黙認する日本政府に沖縄を犠牲にする姿勢を感じる」「パイロットを“素晴らしい操縦をした”と称えた米軍司令官の発言に怒りをおぼえる」「米軍基地で働く外国人同僚は事故を全く知らず、軍が報道を知らせていないと改めて知り、悪い事・汚い事(暴行・猥褻行為など)は隠す国だとショック」などの声が県内紙に数多く寄せられています。
 また、新学期をむかえ、子ども達が始業式で事故について「夜も眠れない」「いつ落ちてくるか心配」など心の傷が深い事も報道されています。子どもの心のケアなど事故処理の課題は多く残されています。

全国で平和の波を
 政府と今の保守県政が進める名護市辺野古への基地移設では、危険な基地の問題解決にはならず、移設先で必ずこうした住民被害が起こることは明白であり、平和を願う県民の思いに全く反するものです。
 県内の市町村議会では、次々と抗議決議が可決。5年以内の基地返還を公約に掲げて当選した伊波宜野湾市長は、現在公約実現に向け、普天間基地監視行動や米軍へ基地の危険性を訴える行動など、様々な取り組みを行なっています。
 こうした中、沖縄では、9月12日と9月26日に米軍ヘリ墜落事故抗議集会、県内移設反対1万人県民大会の成功にむけ、保守・革新の枠を越えた取り組みが拡大しています。ぜひともこの2つの集会を成功させ、沖縄から米軍基地を撤去し、日本全国で平和の波を大きく広げたいと考えています。
(沖縄県医労連・知念毅書記長)