2004年秋看護要求実現全国交流集会
安全でゆきとどいた看護めざす大運動を

 9月7・8日、秋の看護要求実現全国交流集会を熱海で開催。台風で交通が切断されるなか、7全国組合28県医労連・154名が参加。江尻尚子元執行委員長の「看護職のたたかいが、国を動かし医療・看護の制度を変えた」の記念講演の後、職場から「退勤調査を実施して」(大阪)、「外来の当直制を交代制勤務に」(鹿児島医生協)、「2年課程通信制 医労連の運動が県を動かした」(福島)の報告。5つの分科会と基礎講座などを行い、04秋闘での看護闘争を確認しあいました。

需要見通しは200万人看護体制で

200万人看護体制の実現を
 看護現場の超過密労働が、やりがい働きがいの喪失とともに、患者の生命への影響にまで及んでいます。異常すぎる看護現場の改善は一刻の猶予もありません。
 現在「看護職員需給見通し検討会」が開かれ、06年からの「第6次需給見通し」が来年12月に決定されます。
 国の看護職員確保対策の核になるものとして、この秋とくに重視して取り組む意思統一がされました。
 日本医労連は「(1)日勤は患者4人に1人以上・(一般病床)夜勤は患者10人に1人以上、(2)事故防止の確認作業や委員会・研修等の人員確保、(3)サービス残業など労基法違反の一掃(4)夜勤は月6日(当面8日)以内、(5)介護・福祉職場で、看護職員のいない時間帯を作らない」などを基本として、「200万人以上看護体制」の実現を求めています。
 検討会委員への要請ハガキ運動や懇談、「看護師メッセージ」や「看護酷書」を活用しての世論喚起を全国で展開することが確認されました。

県の需給見通し策定へ秋から運動を
 県の需給見通しの策定作業は、来年4月から7月の予定です。県に対する運動が重要になります。「200万人以上」に対応する「○○県○○万人看護体制」の要求を明確にし、秋から出足早く、県交渉や県への署名運動などを軸に県内の世論づくりを行なっていくことが確認されました。

診療報酬・確保法見直しへ
 需給見通しを06年診療報酬改定の配置基準の引き上げに連動させ、看護職員確保法・基本指針の見直しにつなげます。さらに、他産業の労働者とも共同し、夜勤・交代制労働に対する法的保護措置を確立する運動へと、新たな看護闘争の目標を確認しました。

看護職場の労基法違反一掃へ

安全でゆきとどいた看護をめざす大運動を
 最近では、「経営の安定のためなら何でもあり」と言わんばかりに、2交代制勤務や応援体制の提案、夜勤協定の破棄、夜勤人員の削減、看護助手の派遣化などが、一方的に強行されている実態が、分科会でも数多く報告されました。看護職場の「働くルール」の破壊はいっそう深刻になっています。
 看護職場の劣悪な実態を改善するために、「医療事故をなくし、安全でゆきとどいた看護を実現する大運動」を、「総学習・総点検・改善運動」を軸に取り組むことが確認されました。
 看護職の生活は夜勤に大きく左右されます。夜勤協定の締結や遵守は、看護職にとって重要な課題であることも確認されました。

「退勤時間調査」に積極的参加を
 「退勤時間調査」は、産別全体の運動になりましたが、看護職の不払い残業が特に顕著な実態から、看護職が積極的に取り組みに参加することを確認しました。

事故防止は総点検から
 医療事故防止の取り組みでは、分科会でも、転落予防のリソーセンサー付ベッドやアセスメントシート、バーコード、プレフィルドシリンジ型製剤の採用などの報告が増えてきました。
 しかし、経営「効率」優先が、超過密労働を生み出し、「安全阻害」の大きな要因であることも明らかになりました。「安全度チェック」を使った職場総点検を行うことをあらためて確認しました。

各県1校の養成所と支援策を

運動が新たな情勢を作る
 2年課程通信制の養成所が、今年3校開校しました。来年度は10校が準備中です。福島県医労連が知事宛請願署名や関係団体との懇談、県内の世論化を図るなど粘り強い運動で、県に開設のための調査費を予算化させる成果を獲得したり、徳島の養成所に四国の3県知事が協力を約束など、開校を求める運動が全国で展開されています。
 和歌山県医労連では、署名運動や県会議員との協働などで設置を実現し、現在受講の支援策を追及中です。
 開校が決まった大分や熊本での養成所との懇談、宮城や岡山などでの放送大学受講者への学習グループ支援、全労災や国共病組で臨地実習の特別休暇保障の獲得など、新たな段階での新たな要求と運動が各地で取り組まれています。

各県1校の養成所めざして
 希望者全員が受講できるよう、「各県1校」の開設を最重点課題として、運動を強化することが確認されました。県に開設を計画させるために、議会請願や県への署名運動などが提起されました。
 各地の運動に学びながら、学習グループや学習会など仲間の支援、経営者の支援措置、県の修学金制度などの支援措置を追求するとともに、国に制度内容の改善と養成所まかせにしないよう引き続き運動の強化を確認しました。

看護制度一本化の世論化を
 准看護師養成停止の決意を、厚生省にさせるため、厚労省や国会議員への働きかけをいっそう強化するとともに、関係団体との合意づくりを進めるために、もう一回り大きな世論づくりにむけてがんばろうと確認しあいました。