安全・安心の医療確立へ
日本医労連第34回中央委員会、秋闘方針を決定

 日本医労連は9月28〜29日、第34回中央委員会を東京・お茶の水の全労連会館で開催しました。今中央委員会は、主に今秋の日本医労連としての運動方針を決めるもの。各中央委員からは、秋闘の準備や議案を補強する意見などが出され、(1)安全・安心の医療確立、(2)医療、介護、社会保障拡充、(3)国公立・公的医療機関を守る、(4)生活と権利を守る、(5)安全で行き届いた看護の実現、(6)憲法改悪阻止、平和と民主主義、政治革新、(7)組織強化・拡大、を重点課題とした「議案」(当日、一部補強して提案)と「産別スト権」を満場一致で決定しました。(方針のポイントについては、本紙9月9日号2面記事を参照のこと)

産別統一闘争強化を

 中央委員会は、池田寛副委員長が開会の挨拶、岩間廣弘三(岩手)、藤田省吾(全日赤)両中央委員を議長に選出。田中千恵子委員長が主催者を代表して挨拶、医療産別闘争の強化を訴えました。続いて全労連・岩田幸雄事務局次長が来賓の挨拶。憲法を守る闘いを強調しました。
 中央執行委員会を代表して西川活夫書記長が「中央委員会議案」を提案。
 秋の「署名」は、(1)年金(2)介護(3)看護の3つに集中する。「医療構造改革」に反対し、「医療を守る」課題での署名は、医療関係団体との共同署名をめざして調整を急ぐこと。また、全国一斉の「退勤時間調査」は、定期大会で決定した10月12日〜22日を機軸にするとともに、11月15〜19日を「第2次ゾーン」として設定することとしました。
 討議では、「全労連オルグ」となった福岡の山口和秀特別中執が挨拶を兼ねて福岡での組織拡大の取り組みを報告。
 愛媛(高橋徹委員)が、「自治体病院では、医師4人が一度に辞めた。医師1人で入院患者114人を診て、外来もこなしている。地方の医師確保問題は深刻。労組は、住民にも働きかけ緊急集会を準備している。病院政策作りにも取り組みたい」と報告。
 青森(工藤招隆委員)は県の自治体病院再編成・「サテライト化」に抗する運動を報告、「計画は機能の再編でなく、ベットの数あわせ。ひだをつき合わせて住民との対話を広げ、住民と共に地域医療を守りたい」との決意表明。
 新潟(坂井希美子委員)からは、新津市の「こぐち苑労組」結成に至る経過が報告され、「介護」のあり方やあるべき内容を重視した運動、そして介護労働者の研究会やセミナーの必要性が強調されました。
 愛知(長尾実委員)からは、組織拡大へ春と秋に合宿するなど、職場活動を中心とした地道な活動を展開し、55ヵ月連続組合員を増やしている全医労名古屋支部の活動が報告されました。
 広島(大中伸一委員)からは、医療産別労組として、核兵器廃絶など平和運動を強化し、併せて「被爆者認定保障」の運動に取り組む必要性が強調されました。
 京都(塩見正委員)からは、私たち「幹部の職場に対する認識があまい。毎日、職場では業績点検が行われており、増員の要求を出しても、その実現に確信が持てていない状況だ。医療の経営戦略をより深く把握すると共に、患者の自己負担増に伴う被害実態の調査も必要だ」との意見。松本隆浩委員からは「個人加盟組合員が倍増し50人になった。医労連共済加入でなかなか辞めない。この分野の活動強化にOBの専任協力体制をとった」との報告。
 山形(阿部栄一委員)からは「明日から年金の掛け金が引き上げられ、配偶者控除も無くなる。介護や医療保険の引き上げも必至だ。産別として、生活を守る一時金闘争への気迫が弱いように感じる。昨年実績以下では全組織がストライキに入る産別統一行動を徹底すべきだ」との決意と意見。
 健保労組(五十嵐健一委員)からは、「来年統廃合についの結論が出される。また、成果主義賃金を来年4月からに導入しようとしている。闘って粉砕したい。全職員学習を行い、今秋より大宣伝、職員世論作り・施設への申し入れ行動、全社連抗議行動などを展開していく。11月には一斉のストライキを構えている。全国の医療の仲間の支援をお願いしたい」との決意と支援要請が行われた。
 三重(安井彦光委員)からは、「憲法が職場で無視されている。職場での学習が必要。憲法を中心とした運動の組み立てがいま必要だ」との意見。
 全医労からは不利益賠償を求める裁判の取り組みと支援要請が、また全日赤からは賃金確定闘争の取り組みなどが報告されました。
 岡山(谷本守委員)からは、岡山県知事選挙に立候補した平井昭夫氏(元、日本医労連中執)への支援要請がありました。(日本医労連中執で推薦決定)
 宮城(松田すい子委員)からは、公立黒川を守る運動の報告とともに、看護闘争の強化が訴えられた。
 石川(馬渡健一委員)からは、成果主義賃金をめぐる状況報告と、対策の強化が訴えられました。
 まとめで、西川書記長は、「中央、地方での医療産別機能の強化」に向けた取り組みを重視しつつ、「秋闘の5つの重点課題に全力で取り組み、05春闘につなげよう!」と呼びかました。