全日赤高知 厚生労働省通達を追い風に
増員で当直制の改善へ

違法当直の是正を

 医療における当直業務の実態が、社会的問題になっています。厚生労働省は、平成14年3月19日に「医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について」の通知を出し、医療機関へ当直業務の調査と改善を求めています。日本医労連の単組・支部では、違法な宿日直の是正を実現しています。

過酷・違法の検査当直
 日勤にひき続いて当直。検査の当直は、数十分から1〜2時間ごとに起こされ、ふらつきながら救急検査を行い、眠ることもできない。翌日の半日勤務とあわせ、連続28時間労働と、「医療ミスがいつ起きてもおかしくない状態」です。

厚労省通達を追い風に
 労組では、今まで当直料の引き上げや時間外手当の改善、翌日朝から帰れるよう要求してきました。
 厚生労働省の通達は、経営者が「違法当直を交代制勤務等に改善するか、改善しないで許可の取り消しかの選択」を迫ったものです。労組では、通達を追い風に、当直の部分的改善から、抜本的改善にむけてのたたかいを決意しました。

是正から取り残された検査・薬剤・放射線部門
 当直の実態を資料として県基準局に提出し、交渉を行いました。通達に対し経営者は、医師・看護師・事務職については、勤務体制の変更を、守衛は増員による当直業務の変更を行いました。
 検査部・薬剤部・放射線部門等は、もともと当直が認められておらず、調査対象外となっていたため、具体的な調査や改善の検討から放置されてきました。
 労組は、違法当直の最たる部門の調査抜きでも容認される自己調査について、経営者・基準局双方に抗議をすると共に、人員増で交代制勤務への是正を図ることを求めました。同時に、現状の当直で生じた医療事故は、病院の責任であるとの確認を取りました。

増員で改善へ
 経営者は「人員増を伴う改善」を拒否しましたが、「3月に再調査に入り、未改善ならば、全国に足並みを揃え、6月には当直業務認可取り消しの通達を出す」という基準局の態度を最大限活用し、交渉で追求しました。
 その結果、経営者は検査1名、放射線2名、薬剤部2名の増員を行いましたが、改善案は17時〜2時を1勤務、2時〜8時半を当直、8時半以降を代休とする、当直料は削減というものです。当直料の削減は撤回させましたが、抜本的な改善はこれからです。
(全日赤高知単組 執行委員長・山地好市)