契約職員も執行委員に
正職員とともに病院づくり 【精華園労組】

正職員と心が一つに!
 高知県の精華園労組では、契約職員の昨冬の一時金は40日分。「1.5日分増えたことも嬉しかったけれど、なにより正職員の人が『自分たちはこれでいいから、契約職員の人たちの分を引き上げてくれ』と、団交で言ってくれたのがうれしかった」と労組の副委員長で契約職員のリーダー的存在の山下さん(ナースアシスタント)。「正職員と一緒になれたと実感しました。組合があったればこそ」と、新年も元気でがんばると決意を語ります。

移籍問題で組合加入
 契約職員のナースアシスタントの人たちが組合に結集しだしたのは、前年の春先に「有限会社セネカ(医療法人精華園関連の有限会社)」への移籍問題が持ち上がってから。一旦移籍した上で、セネカと精華園(名称変更で「海辺の杜ホスピタル」)が委託契約を結び、再び元の職場で働かせるというものでした。
 危機感を抱いた人たちが相次いで組合に加入。集会で議論し、要求をまとめ、団交を繰り返しました。団交は深夜に及ぶことも。生活がかかっており、団結は崩れません。一年間の契約時期はまちまちでしたが、経営者は個別の折衝にも応じませんでした。
 就業規則には移籍の規定はなく、本人の合意なしには出来ないこと。ナースアシスタントの業務は、看護師等との密接な連携なしには成り立ちません。業務委託では、指示命令関係が成り立たないことなどを追求。撤回を勝ち取りました。

改善めざし組合役員に
 組合が契約職員の処遇改善を取り上げたのは20年近く前から。賃上げを要求しても、「個別契約」を楯に相手にされませんでした。ようやく賃上げを獲得したら、組合を脱退する人が相次ぐなどの繰り返しでした。
 しかし、今回は違います。「確かに移籍を撤回させ一段落したから組合を抜ける、という意見もありました。しかし、それじゃ良くならないという声が上がった。契約職員も組合の執行部に入り、一時金も引き上げることができた。この冬の闘いで正職との溝も埋めることが出来た。職場は自分たち自身で良くしていかなければ」と山下さん。契約職員の組合員は全組合員100名中42名。セ・パの「融合」でより良い病院づくりをめざしています。