片言の英語で署名を訴え
世界の平和運動に触れた
長崎民医労 Yさん
NPT(核不拡散条約)再検討会議に参加して


 このたび、長崎からNPT再検討会議に、原水協要請代表団として派遣され、ニューヨークまで行ってきました。
 実のところ、今までほとんど平和運動をしていないし、NPTが何なのかもよくわかっていませんでした。「核兵器はいらないと思うけど、『北朝鮮からどうやって日本を守るの?』と言われたら、説明できない。その答えを見つけたい」それが、知識のない私の正直な気持ちでした。
 行動の2日目は署名行動。多くの人が、時差ぼけと寒さと夜中に工事やごみ収集をするNYの夜に眠れなかったようですが、みんな緊張にどきどきしていました。それは「署名の許可を取っていないので、警察に注意されたら素直に従うこと」と注意があったからです。私たちはこの行き当たりばったりな計画に唖然としましたが、班長の元気な引率について行くしかありません…。しかも、私たちの班はマジソンスクエア・ガーデンの入口という絶好の場所で行うことに。
 みんな初めは小さな声しか出ませんでしたが、徐々に英語でアピールするのが楽しくなりました。朝の通勤時で、10人に1人位が署名してくれ、私たちは1時間で52筆集めました。
 若い子連れのお母さんは積極的で、言葉や文化が違っても気持ちは同じなんだと思いましたが、「イラク問題などがあるから核は必要だ」、「パールハーバーを覚えているか」などと言ってくる人もいて、歴史の重さも感じ、また日本で同じ署名をしても反論してくる人はあまりいなかったので衝撃的でした。
 私は、過去は過去のこと、日本は被爆国だけどそれを恨んではいないし、被害状況や原爆体験を聞き、そんな経験はもうどんな人もしてほしくないなあ、という考えでした。参加者の一人に「被爆するということは、その時だけじゃなく、ずーっと放射能が体内の臓器を攻撃すること」と教えられ、あらためて核の非人道性を認識しました。
 英語での署名・アピールは、日本では絶対できない体験で、慣れるとかなり楽しかったです。また、同じ志の人が集まることは力になると感じた経験でした。