「看護師ふやせ」の大闘争を
2005秋・看護要求実現全国交流会
増員闘争への決意かためる
 
 秋の全国交流集会は、9月7・8日熱海において大型台風の九州上陸で、交通路が遮断されるなか、7全国組合・34県医労連・169名の仲間が参加をし、大幅増員をはじめ看護要求実現をめざして、運動の交流や秋のたたかいの方針の徹底をはかりました。日本医労連あげてこの秋から、看護師をはじめとする医療労働者の大幅増員の大運動を展開する方針を受けて、看護師が先頭になってがんばる決意を固めあいました。

秋から看護師ふやせの大運動を
 2005年秋看護要求実現全国交流集会は、大型台風の影響で、九州・中国・四国からのキャンセルが相つぎましたが、参加者は元気に各地の運動の成果を持ち寄り、秋からの「看護師ふやせ」の大運動、2年過程通信制などで交流と意思統一を行いました。今年は、一刻も猶予できない劣悪な労働を改善するため、「増員闘争本部」を設置し、産別あげて増員闘争を行います。そのため、闘争本部も参加をし、全国組合や県医労連の書記長の参加も目立ちました。

怒りをエネルギーに すべての看護職員の決起を
 集会の記念講演は、「看護労働とメンタルヘルス‐増員と労働条件改善の課題‐」と題して、筑波大学大学院人間総合科学研究科の三木明子助教授。患者の安全と看護職員の安全、健康問題をデーターで示した講演は、看護師不足に大きく関連するものでした。
 井上久看護闘争事務局長が基調報告を行い、「疲れ果て、健康破壊とバーンアウトが進行し、満足な看護もできない深刻な実態だからこそ、その怒りをエネルギーに変え、すべての看護職員が大幅増員闘争に立ち上がろう」と呼びかけ、職場の増員の保障として、現在作業中の看護職員需給見通し、来春の診療報酬改定へむけた運動、すべての職場で「看護職員の労働実態調査」を集めきり、増員にこだわって運動をと、秋の行動提起を行いました。
 職場のたたかいの報告「疲労度調査の結果より」(岡山県医労連)、「安全度チェックを実施して」(福島県医労連)、「長時間2交代を撤回!」(全医労)は、どの報告も、大幅増員の切実さを検証するものでした。続いて、岩手県医労が県立軽米病院の「看護師等1人夜勤勤務命令差止等請求裁判」、済生会金沢病院労組の「2交代阻止の裁判・地労委闘争」、母親の加代子さんから「村上優子さん過労死裁判」の3つの訴えがあり、支援とともに、「増員闘争こそが改善の道」と痛感しました。
 分散会でも、「看護師ふやせ」の運動を、職場・地域・国にむけ、どう作っていくのか、世論化をどうはかるのか、確保法制定の運動なども教訓に、熱心に討議が行われました。

作らせた運動に確信、通学の支援と改善を
  「2年課程通信制と看護制度」分科会では、私たちの運動で学校を作ってきた確信と、実際に通学しながらの困難や問題点、医労連への要望などが、新たな段階での課題として、たくさん出されました。増員と看護制度を車の両輪のような運動に、と確認しあいました。

元気と増員への決意を共有
  「自分が感じている悩みは、どの県・施設の人も感じているのだ。問題は同じだ!みんな改善のために闘っているのだと心強く思い、もっと自分もがんばろうと決意した2日間でした」の感想のように、元気と増員闘争への決意を共有する集会となりました。

100床当り看護職員数・2004年
100床当り看護職員数の経年推移


看護職員の2004年度夜勤実態調査結果
増員抑制で4人に1人が確保法違反

在勤日数別の人数と割合
3交代「3人以上」が主流、4人に1人が9日以上
 3交代の病棟では、「月8日以内夜勤」が77・5%と、約4人に1人が「看護職員確保法」に違反する夜勤を行っています。平均夜勤日数は7・68日で、90年代後半から改善がすすんでいません。
 ただ、3人以上夜勤体制は、準夜55・8%、深夜46・4%と、わずかですが増加しています。民間全国組合(準夜74・1%、深夜62・3%)、地場組合(準夜63・5%、深夜52・4%)と、「3人以上夜勤」が主流になっています。
 100床あたりの看護職員数は48・0人と、97年以降ほぼ「横ばい」で、看護職員の増員が厳しく押さえられてきました。
 この時期は、入院日数短縮や医療事故防止対策等により、業務量が急速に増えた時期でもあり、看護現場の過密労働は一層深刻になっているといえます。

2交代「2人夜勤」が過半数、多い補助者の夜勤
 2交代の病棟では、「4回以内」が74・6%と、4人に1人が「看護職員確保法」違反になっています。
 平均夜勤回数は3・81回で、「3人以上夜勤」は35・9%と、3交代病棟を大きく下回っており、長時間夜勤に関わらず、貧弱な体制となっています。夜勤に入ったのは、看護職員86・6%、介護者・補助者63・3%と、介護者・補助者の夜勤入りが3交代病棟(20・9%)の3倍以上になっています。療養病棟の夜勤入りが多いためです。

来交代制5割強、当直制7割強、1人夜勤過半数
 交代制では、「8日以内」80・2%、平均夜勤回数は5・91回、当直制は「4回以内」が94・0%、当直回数2・47回ですが、「1人夜勤」が53・3%、1人当直が76・9%となっています。外来は非常に手薄な夜勤体制になっています。

夜勤協定は70・5%、「8日(4回)以内」66・1%
 夜勤協定は「あり」が70・5%、「なし」が29・5%で、「8日」が85・8%、「9日」が8・3%になっています。