ついに刊行!―医療・福祉で働く仲間のテキスト―

21世紀をになうあなたへ

未来への展望しめすテキストですべての職場で第学習運動を

 日本医労連では、この度16年ぶりに新しい組合員教科書、「21世紀をになうあなたへ‐医療・福祉で働く仲間のテキスト」を発刊しました。未来への展望を指し示すこのテキストで、多くの仲間が学んで、確信を持って医療労働組合運動に結集するために、この秋、大学習運動を起こしましょう。

 新しい世紀21世紀を迎えました。
 21世紀は、だれもが安心して受けられる医療・社会保障制度にしたい。だれもが人間らしく生きられる社会にしたい。そして、医療・福祉労働者がいきいきと働きつづけられる世紀にしたいとの思いがあります。
 しかし、2001年1月から健康保険法が改悪され、高齢者の医療費負担が増えました。
 医療事故の報道は連日のように続き、医療に対する信頼がゆらぎ、現場の医療労働者も不安な中で働いていました。
 今年4月には小泉政権が発足して「聖域なき構造改革」のもとに、医療・福祉、社会保障の切り捨て攻撃をいっそう強めてきました。
 こうした情勢に立ち向かい、医療・福祉、社会保障の改悪を許さない、強固な日本医労連をつくろう、そのためにもすべての組合員が学び、たたかえる大学習運動を行なおうと、2001年2月に教科書委員会を設置し、今日の出版にこぎつけることができました。
 今回の教科書は、すべての組合員、医療・福祉の職場で働く仲間に読んでいただきたい、との思いで編集しました。さらに、まだ組合に入っていない方、日本医労連を知らない方にも、知っていただけるような内容になっています。
 医療・福祉の労働組合は、その仕事がそうであるように、人間と人間の結びつきで支えあっています。
 50年にわたる医療労働組合の歴史と伝統が、21世紀のこの国の医療・福祉をになうみなさんに受け継がれていくことは、このうえないすばらしいことです。
 本書が、より多くの人に読まれ、より多くの学習会で活用されることを期待しております。(「21世紀をになうあなたへ」‐あとがきより)

執行部での集団学習はもちろん 全組合員を対象にした学習会も

 このテキストの活用方法は様々です。この秋、新体制となった組合執行部での集団学習(古い幹部のみなさんも含めて)はもちろん、職場単位での学習にも活用できます。
 また、新入組合員向けの学習会での活用や、新組合員へのプレゼントを計画しているところもあります。
 できるかぎり多くの組合員にこのテキストを届け、組合員一人ひとりが、主人公となって活動する労働組合作りに、このテキストを最大限活用してください。
 日本医労連でも、学習援助の体制をつくって、大学習運動を推進します。
 一定部数以上まとめての注文には割引も設定されていますので、各県医労連・全国組合単位での注文もご検討ください。
 注文・問い合わせは、「学習の友社」、電話03・5842・5641、FAX03・5842・5645まで。

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私たちはこんなことを要求しています。

●医療・福祉労働者の生活と労働の実態にもとづく大幅賃上げ
●すべての職種の大幅増員、職場の必要人員の確保、労働条件の改善
●夜勤体制・看護体制の「合理化」反対、行き届いた看護の実現
●看護制度の一本化、准看護婦全員の看護婦への即時切り替え
●国公立をはじめすべての医療機関の統廃合・縮小反対、地域 医療・福祉の拡 充

国民的な支持と理解を広げて

 私たちは、マスコミも応援した「人権闘争」と呼ばれた1960年の「病院ストライキ」や、“ニッパチ闘争”といわれた「夜勤は複数・月8日以内」を求める「増員・夜勤制限闘争」(68年)、80年代には臨調「行革」路線に反対して、国民の医療・福祉を守る運動を全国的に展開し、89年から、看護婦不足 の解消と社会的地位の向上、患者・国民の医療と看護の改善を求めて「看護婦闘争」など、国民的な支持と理解を広げて運動してきています。
 96年秋からは、健保本人の2割負担・老人医療費の引き上げなどの医療保険制度・社会保障改悪に反対して、「医療・福祉、社会保障の充実をもとめるキャラバン行動」を行い、97年春闘でも、大幅賃上げや増員などの要求と、医療保険制度改悪反対・消費税増税中止を結合して、地方自治体への要請、住民団体 との懇談、医療関係団体やあらゆる医療労働組合への申し入れ、新聞意見広告、TV・ラジオのCMなどでの宣伝など、ダイナミックな行動で国民的課題に取り組んでいます。

医療・福祉をまもる運動の担い手として

 患者さんや地域住民へのアンケート活動や懇談会、毎年開催される全国規模の「医療研究集会」や「さわやか運動」、“ナースウェーブ”などを通して「いつでも、だれもが安心してかかれる・利用できる」よい医療機関・施設づくりをすすめています。
 全国17万5千人の仲間の力は、政府・厚生省に対しても大きな影響力を持つまでになっています。政府・厚生省に対して、看護婦等人材確保法の制定(92年)、准看護婦の「お礼奉公」廃止や看護制度一本化にむけての大きな一歩を踏み出させたことも私たちの運動の成果です。政府予算編成期には、必ず政府と の交渉を行い、社会保障関係費の増額、医療・福祉制度の充実や診療報酬の改善・措置費の引き上げなどを求める取り組みをつよめています。
 「看護婦の地位向上に関する国際シンポジウム」(91年)に続いて、97年3月には8カ国による「医療の公共性と医療労働者」国際シンポジウムを開催するなど、国際連帯・交流も行い、国民のための医療・看護のあり方について探求しています。

いちばん大きい医療産業別組合

  日本医労連(1957年8月結成)は、日本唯一最大の医療産業別の労働組合で7全国組合・46都道府県医労連で構成され、17万5千人が加入しています。国立病院・療養所・自治体立病院、日赤病院・厚生連病院・社会保険病院・労災病院・国家公務員共済連合会病院・公立学校共済組合病院・済生会病院・ 厚生年金病院などの全国的な病院や、国立・公立・私立大学の付属病院、民間の病院・診療所、老人ホーム・保健施設、調剤薬局など、設置主体や企業規模の違いをこえて、医療や福祉の職場・関連する事業所ではたらく労働者・労働組合が加入しています。
 日本医労連は「こうした職場にはたらく労働者の生活と権利を守ることと、患者・国民のいのちを守ることを一体のものとしてたたかう」ことを運動の基本路線とし、仲間の切実な要求実現と国民医療をまもる課題をしっかりと結合して全国各地で運動を展開しています。