宮城 公立黒川病院の移譲白紙に
引き続き存続へ全力で

 大和町・公立黒川病院の民間移譲を推進してきた黒川地域行政事務組合(浅野元理事長・大和町長)は、4月27日、移譲先に選定していた学校法人東北文化学園大学(仙台市)との移譲交渉を白紙撤回しました。
 県医労連と公立黒川病院職組は、翌28日、声明を発表、「白紙撤回」は極めて当然の措置であること、そして今後も「公立医療の存続」を求めて、あらゆる共同を広げ、運動を強化することなどを表明しました。
 住民とともに移譲阻止
 行政組合が「白紙撤回」の措置を講じたのは、大学設置認可の必要財源(現金・現物寄付)63億円のうち、53億円の寄付が虚偽申請であった容疑が濃厚になったためです。さらに底なしの疑惑事件が県議会や仙台市議会、国会でも取り上げられ、これまで交付してきた公的補助の返還も検討されるような事態に発展し、学園大学に対する社会的な避難が噴出したことにあります。そして何より病院の民間移譲に反対する住民の運動が背景にありました。
 県医労連と当該職組は、昨年秋から郡内の住民でつくる「公立黒川病院を守る会」(小原孝夫代表)と共同し、宮城県労連からも支援を受けながら、行政組合、宮城県知事に対して民間移譲を中止するよう強力に働きかけてきました。
 またこれまで疑惑にまみれた文化学園大学には住民の尊いいのちと健康を守る医療機関を経営する資格がないことを厳しく指摘しながら、公立医療の存続を強く求めてきました。しかし報道によれば、浅野理事長は、「民間移譲の方針は変えず、今後は移譲先の公募など検討する」ことを明らかにしています。
 たたかいはこれからが正念場です。地域医療を守り発展させるためには、公立医療のあり方の検討、経営再建方針を含む政策も求められています。
(宮城発)