1年3ヵ月のたたかい実を結ぶ
ふれあい病院平塚として再出発

 2003年4月の病院閉院通告から1年3カ月。「杏雲堂平塚病院を支援する会」と杏雲堂平塚病院労組は、7月24日、第5回市民のつどいを開きました。つどいには、8月2日からの診療再開を喜ぶ170名を越す患者・市民の皆さんが集まり、ともに喜びを分かち合いました。またつどい終了後には、支援の労働組合や各団体の皆さんと勝利報告集会を開催しました。

住民に支えられた
 杏雲堂平塚病院のたたかいは、まず何よりも同労組が、地域の住民と患者さんに依拠して運動をすすめる、という医療労働組合本来のたたかいの原点ではじめたことにあります。
 最初はどうなるのかと不安視していた労組員と職員たちも、患者さんや市民の皆さんから寄せられた5万筆に及ぶ署名や市内始まって以来の300名を越すつどいやパレード、数次にわたる全市チラシ配布などの大きな取り組みのなかで、次第に元気がわいてきました。
 周辺自治体や県・国に対する陳情や要請、財団や閉院に関係する住友不動産東京本社や地方の主要営業所への要請など、枚挙にいとまがないほどのさまざまな行動によって、財団の姿勢と、文部科学省の指導責任、県衛生部によるベッド過剰地域でありながら特例として他医療経営者への譲渡を認めさせてきました。この成果は、まさに地域の大多数の住民の皆さんの5万筆の署名をはじめとする支援抜きには考えられません。
 無事7月16日、新経営者の下で再スタート。病院長を除く医師集団の退職に伴い、患者さんを送り出した悔しさと悲しさを感じつつ、一日も早く診療再開を望んでおられた患者さんと地域住民の皆さんの期待にようやく応えられる日を迎えることができました。
 新病院には、労組員のみならず院長をはじめ非組合員の職員を含め、36名の仲間が職場に残りました。
 つどいに参加した町内会の田中会長さん、二宮町の黒光さんもこもごも喜びと感動の発言をされました。最後のあいさつでは、河合病院長も絶句する場面もありましたが、「さらに地域に貢献したい」と、そして、参加した全員が一言発言し、こらえきれない涙を流しながら新たな決意を披露しました。
 労組は、新たな決意のもと皆さんの思いをしっかり受け止め、杏雲堂平塚病院労働組合の歴史と運動を引継ぎ、新生「ふれあい平塚病院労働組合」として再スタートを切りました。
 今後も、厳しい状況も生まれるかと思いますが、これまでの皆さんの暖かく力強いご支援を踏まえ、全力でがんばることをお伝えし、当面のご報告とさせていただきます。
(神奈川県医労連・竹山 誠)