団結固め産別結集
病院給食業務委託 白紙撤回

山形県医労連 米沢市立病院労組

 02年10月に、「経営悪化」を理由として、山形県の米沢市・病院当局から提案されていた、米沢市立病院(425床)の病院給食全面委託提案は、昨年12月6日の団体交渉で、市当局より「05年・06年の実施は困難につき(提案は)取り下げる」、07年度以降についても「経営がにっちもさっちもいかなくなれば協議してほしいが、そうならないよう努力する」と、「白紙撤回」の回答を引き出しました。
 3年におよぶ病院給食全面委託反対の闘いは、米沢市立病院労組(高野正宏委員長、320人)の、「完全勝利」となりました。

補充も「正職員」で
 さらに交渉では、(1)60歳定年まで働き続けられる労働条件・職場環境にするよう努力する、(2)正職員の退職による補充は「正職員による補充を考え、組合と協議する」と確認しました。
 これは、米沢市病労組が、(1)病院給食の全面委託を阻止することは、患者の医療と雇用、職場をまもるたたかい、(2)給食部門と他の職場の団結を固め、すべての組合員の問題として団結してたたかう、(3)県医労連・市労連など、上部団体の支援のもとに地域住民の支持を得てたたかうことを明確にし、「病院給食の全面委託反対」を貫いてたたかってきた大きな成果です。

産別・地域ぐるみで
 県医労連は、このたたかいを全面的に支援してたたかうことを決定し、02年12月4日にはこの問題での産別団体交渉を配置し、「病院給食の業務委託は、労働条件の重要な変更を伴うものであり、あくまでも労使合意のうえ、おこなうこととする」という確認書(労使協定)を締結し、その後も数度におよぶ病院当局との産別交渉で、その中止を求めてきました。また、単組は、病院給食部門の職員異動は、米沢市の学校給食部門の労働者との異動と密接な関連があることから、米沢市職労とも連携をとり、現地に「病院給食全面委託阻止闘争本部」を設置して、産別ぐるみ・地域共闘を重視してたたかってきました。

職場の団結固めて
 一時は、全面委託を狙う病院当局の、病院給食職場へのいやがらせ・差別などによる切り崩し攻撃などもありましたが、病院給食の仲間は団結を堅持して、粘り強くたたかい、執行部もそれに励まされて先頭に立って団体交渉など奮闘しました。
 また、県医労連・日本医労連も団交をはじめ、全国・県内の病院給食問題での情報提供や単組学習会への講師派遣など全面的に支援して産別一丸となってたたかいました。
 3年におよぶ全面委託提案は完全阻止したものの、米沢市立病院の経営状況はいぜん悪化状況にあり、いつ再浮上するとも限りません。職場・単組の団結とたたかいを基本に、今後、市民をはじめとする地域のたたかいを強化していくことが重要となっています。
(山形県医労連・奥山邦彦)